もやもやレビュー

激しくて、生々しい愛『宮本から君へ』

『宮本から君へ』 絶賛公開中!

 "日本で最も嫌われた"という伝説の漫画「宮本から君へ」が実写映画化され、現在絶賛公開中! 本作のスゴイところは、キャストほぼ全員の体当たり演技。叫んで、暴れて、殴られて......暑苦しい! 究極の人間ドラマでもあり、激しいラブストーリーでもある本作から、改めて愛のカタチを考えさせられます。

 主人公は文房具メーカー「マルキタ」で働く宮本浩(池松壮亮)。人一倍正義感があるものの不器用な彼が、会社の先輩の仕事仲間である中野靖子(蒼井優)と出会い、恋に落ちます。靖子の自宅に招待されますが、そこに靖子の元カレである裕二が現れ部屋にズカズカと侵入。靖子は裕二を追い出すために宮本と寝たことを言い放ちます。怒り狂った裕二は靖子にビンタ。そこで宮本が「この女は俺が守る!」と叫び、それがキッカケで宮本と靖子は心から結ばれます。しかし、その後、靖子の身に大変な事件が起き、二人は最大の試練に立ち向かうことに!

sub1.jpg

 宮本演じる池松壮亮が歯が折れ血だらけになった姿を見せたり、ご飯を口に入れるだけ入れて、泣きながら叫んだり。暑苦しい生き様と泥臭いケンカが描かれている本作、もちろんヒロイン役の蒼井優も激しい演技を披露しています。泣き叫んで、本気で殴って......「こんな蒼井優、見たことない!」と彼女の体力が心配になるほど頭に血が上るような演技を見せてくれます。そんな二人の激しいぶつかり合いを観ていると、「これが本当の愛なのかも?」と生々しくも新しい愛のカタチに触れたような感覚に。ちなみに、本作の主題歌は宮本浩次が描き下ろし、ギターに横山健を迎えたパンクロックナンバーで、これもまたエモい! 激しくエモい! そんな熱量たっぷりの本作は、究極の愛、究極の人間ドラマを求めている方にオススメです。

(文/トキエス)

***

main1.jpg

『宮本から君へ』
絶賛公開中!

監督:真利子哲也
原作:新井英樹「宮本から君へ」(百万年書房/太田出版刊)
出演:池松壮亮、蒼井優、井浦新 ほか
配給:スターサンズ/KADOKAWA

2019/日本映画/129分
公式サイト:https://miyamotomovie.jp
(c)2019「宮本から君へ」製作委員会

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム