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究極の夢の時間をありがとう『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 8月30日(金)より全国公開!

映画監督をするのは10作と決めていると明言しているクエンティン・タランティーノ監督による第9作目の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が、先週末ついに公開された!

本作の舞台となる1969年のハリウッドはまさに黄金時代。主人公リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は落ち目のTV俳優で映画スターへの転身を目指して奮闘している毎日。そんなリックの専属スタントマンであり、付き人を務めるのがクリフ・ブース(ブラッド・ピット)という男であった。2人はプライベートでも仲が良くリックが落ち込むとクリフが支えていた。そんなある日、リックの自宅の横にロマン・ポランスキー監督と女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻が引っ越してきた。リックは悪役しか回ってこない現状を変えるべくイタリアでマカロニ・ウエスタンに出演することを決意する。そんなお隣さん同士が迎える運命の1969年8月9日をタランティーノ監督はどのように描くのか...。

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まずは、なんと言ってもレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという夢の2大スターの共演に注目だ。同じスクリーンで見られる日がくるとは感慨深い。2人が世界中で注目されはじめたのは『タイタニック(1997)』と『セブン(1995)』と時期も近い。役どころも2人の友情と絆が物語の軸になるといえる。2人はプライベートでも共通の友人が多いらしく出会うべくして出会ったとも言えるだろう。

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この映画を見る前にシャロン・テート事件とはどのような事件だったのか簡単に知っておく必要がある。チャールズ・マンソンという男に洗脳された主に女性からなる信者によって、人違いで妊娠中のシャロン・テートが殺されてしまうという事件が、シャロン・テート事件と呼ばれている。この事件が起こる前の年にシャロン・テートの夫であるロマン・ポランスキーが監督し大ヒットした『ローズマリーの赤ちゃん』は悪魔教崇拝の話であり、この映画の呪いだと世間では話題となった。ロマン・ポランスキー監督が存命の今この映画を製作していると聞いた時は、タランティーノ監督の作品はグロテスクな殺人シーンも多い印象なので本当に大丈夫なのか!?と心配にもなった。
多くは語れないが、鑑賞後、この映画の題名が本当に最高だなという気持ちになること間違いなし。
『大脱走』など多くの映画やTV番組の1シーンがたくさん登場するので、1度見ただけでは回収しきれない。映画ファンなら何度でもみたい1本になるだろう。

(文/杉本結)

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
8月30日(金)より全国公開中!

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、アル・パチーノ、エミール・ハーシュ、マーガレット・アクリー ほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

2019/アメリカ/161分
原題:Once Upon a Time in Hollywood
公式サイト:http://www.onceinhollywood.jp/

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