もやもやレビュー

サメ映画あるあるを無駄につぎ込んだ『ゴースト・シャーク』

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 サメ映画はフォーマットが決まり切っているせいか、出オチに全てを懸けるスタイルがほとんどで本作もそれにならっている。
 タイトルから分かるように、本作の主役は幽霊だ。幽霊のサメが人を食い殺して回るという内容がすべてで、それ以外に書くことはない。登場人物は明るいバカ、頭のおかしなオッサン、水着のオネーチャン。どのサメ映画でもこの仕組みは変わらない。最後は爆破で退治というオチもサメ映画によくある設定。作品の新規性は幽霊という一点のみ。もっとも、サメがゾンビになったりメカになったりするサメ映画の中で幽霊だろうが何だろうが、目新しさはないのだが。

 そもそもサメが幽霊になった理由は、釣り大会に参加した親子がサメに魚を横取りされたことに腹を立て、仕返しとして銃撃したりクロスボウで撃ち抜いたりチリソースをかけたりと惨殺した恨みによる。そこから少量でも水がある場所へ自由に出現できる幽霊となり子供から老人まで無差別に殺害して回ることに。そんな訳の分からない存在を消す方法はないので最後はサメを爆殺。物語の体を放棄しているところがサメ映画らしい。

 B級映画なのでCGはショボいし、襲われる人間の殺され方が冗談みたいなことになって血糊を撒くだけだし、もうコメディとして観るしかない。しかし、優れたB級サメ映画は笑いどころがあるのに、本作では殺され方でいくつか鼻で笑う箇所があっただけ。コメディとしても成立しない。87分を数回失笑するために視聴するくらいなら、寝ていた方がおそらくマシだろう。

 本作は地上波でも放映されたという。しかし、殺害シーンがグロいため、そういった部分はほぼカット。その部分を削除されたらいよいよ観る部分がないというのに、どうして放送したのだろうか。

(文/畑中雄也)

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