もやもやレビュー

名優が集結して起こすケミストリー『ゴールデン・リバー』

『ゴールデン・リバー』 7月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ ほか全国順次ロードショー

なんて素晴らしい作品に出会ってしまったのだろう。こんなにも素晴らしい出会いがあるから映画をみることがやめられないんだろうな。そう思わせてくれる1本に出会えた。
鑑賞前から監督が『預言者』でグランプリ、『ディーパンの闘い』でパルム・ドールを受賞したカンヌの常連ジャック・オーディアルであるという、それだけでも期待値をあげてみてしまう。それなのにそんな期待値を簡単に超えてきたと言っても大げさではない。初めてハリウッド俳優とタッグを組んだり、ウェスタン映画というジャンルにフランスの名匠が挑戦したり。なんてわくわくする映画なんだろう。

殺し屋の兄弟「シスターズ兄弟」が主人公。原題は「THE SISTERS BROTHERS」である。
そんな殺し屋の兄弟に提督と呼ばれる人物からウォーム(リズ・アーメッド)という男を始末するように依頼を受ける。連絡係のモリス(ジェイク・ギレンホール)が捜し出し2人に場所を教える手はずだった。しかし、少しずつ歯車が狂い出す。

シスターズ兄弟を演じたのはジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックス。この2人じゃなきゃ演じることが出来なかったのではないかと鑑賞後には思うくらいぴったりの役であり、2人は本当に「兄弟」であった。この2人は馬に乗っているシーンが多く、馬を大事にしたカットが作品の中にはちりばめられている。
冒頭で納屋が燃えて馬にも火がついて逃げ出すというカットがあるのだがなんとも印象的であり衝撃的なシーンでもあった。

ウォームは一体なぜ提督と呼ばれる人物から命を狙われることになったのか? モリスはなにも知らずにウォームをただ捜していたが、どのような人物か知るうちに友情が芽生え始める。

殺し屋の話から男の友情の物語へと話は展開していくのだが、『ゴールデン・リバー』そこにたどり着いたときに醜い人間の本性や野心がむき出しになっていく。
この物語はそこで終らない。最後までドラマチックで心を熱くさせてくれる。
この4人の俳優が同じスクリーンにたっているだけでも奇跡的なのに、さらに完璧なシナリオが準備されているのだから文句のつけようがない。
なにをみようか迷ったらこの映画を選んで欲しい、そんな1本だ。

(文/杉本結)

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『ゴールデン・リバー』
7月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ ほか全国順次ロードショー

監督:ジャック・オーディアール
脚本:ジャック・オーディアール&トマ・ビデガン
原作:「シスターズ・ブラザーズ」パトリック・デウィット(創元推理文庫刊)
出演:ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッド ほか
配給:ギャガ

原題:THE SISTERS BROTHERS
2018/フランス、スペイン、ルーマニア、ベルギー、アメリカ/122分
公式サイト:https://gaga.ne.jp/goldenriver/
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