第4の壁をぶっ壊す!『ライ麦畑で出会ったら』
『ライ麦畑で出会ったら』 絶賛公開中!
青春小説の金字塔として世代を超えて愛されてきたJ.D.サリンジャーの小説「ライ麦畑でつかまえて」を手に取った一人の少年ジェイミー(アレックス・ウルフ)の物語。ジェイミーは孤独な学生生活の中で、小説「ライ麦畑でつかまえて」に感銘を受け舞台化したいと台本を作成する。舞台化するには作者の許可が必要だと知り、なんとか連絡をとろうと奮闘するも連絡をとることが出来ない。ついにジェイミーは寮を飛び出し作者であるサリンジャーを探しに自らの足で向かうことを決意する。ジェイミーはサリンジャーをみつけることは出来るのであろうか...?
主人公ジェイミー役のアレックス・ウルフはとてもはまり役で映画の中に引き込まれていく。アレックス・ウルフは『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』で好演していたのが記憶に新しいが今回またがらりと変わった雰囲気を味わえる。
この作品、ありとあらゆる方法で観客をつかまえにやってくる。なんと冒頭部分では第四の壁を壊してぐいぐいとこちらに話しかけてくる。ここで観客との距離はぐいっと縮められる。さらに、まるで無邪気に遊ぶ子供のように自由自在にカメラが動いていくのも心躍らされる。後半はサリンジャーを捜すロードムービーになっていく。その旅を通して、誰もが経験する出会いと別れについて考えさせられる。ラストのエンドロールもなかなか面白いので最後までつかまえられる人が続出するのではないだろうか。
青春時代に出会う一冊の本や音楽、映画などの存在の大きさを改めて感じることの出来る作品であった。また、時代がどんな風に変化していったとしても、人間の中に秘められた感情は普遍的であり変わらないであって欲しいと思わずにはいられない。青春時代にこんな旅がしてみたかった!
(文/杉本結)
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『ライ麦畑で出会ったら』
絶賛公開中!
監督:ジェームズ・サドウィズ
出演:アレックス・ウルフ、ステファニア・オーウェン、クリス・クーパー、ジェイコブ・ラインバック、エリック・ネルセン ほか
配給:東北新社、ATAR CHANNEL MOVIES
2015/アメリカ/97分
公式サイト:http://raimugi-movie.com
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