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鳥肌級!クイーンファンにならないわけがない映画『ボヘミアン・ラプソディ』

『ボヘミアン・ラプソディ』 11月9日(金)より全国ロードショー!

 伝説のバンドQueen(クイーン)。母が好きでなんとなく聞いたことあるな......と、ちゃんと真剣に楽曲を聴いたことも、ライブ映像も見たこともない私にとって、クイーンは「たくさんある有名バンドの一つ」というイメージでした。それなのに、それにも関わらず! 彼らの伝記である新作映画『ボヘミアン・ラプソディ』を鑑賞中、クイーンが作り出す楽曲に鳥肌が立ち、エンドロール時には「なんでクイーンのこと全然知らなかったんだろう...人生損してたな」と反省。音楽でも感動できるし、もちろん物語でも感動できちゃいます。これは大ヒットの予感......!

 1970年のロンドン。「パキスタンの子だ」とバカにされる自分の容姿や、生い立ちにコンプレックスを抱えていたフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、夜になるとライブハウスに入り浸る生活を送っていました。ある時ライブハウスで、ブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)が組んでいるバンドのボーカルが脱退したことを知り、フレディは彼らの前で歌声を披露し、自分を売り込みます。もちろん迫力のあるフレディの声にノーとは言えなかった二人。1年後には、ベーシストのジョン・ディーコン(ジョー・マッゼロ)が加入しクイーンが誕生。4人はアルバムを制作します。

 あれ、これって1970年代の話だよな?と勘違いしてしまうほどの斬新なレコーディング風景にはかなり驚かされました。当時はありえなかった6分の楽曲を作ったり、オペラを入れてみたり。型にはまらないということが、どんなに素晴らしいことなのか改めて実感させられました。また、フレディが味わう孤独や、複雑な人間関係、さまざまな葛藤、そしてバンドの絆。素晴らしい楽曲と負けないくらいの、素晴らしいストーリーも本作のポイント。後半、涙が止まらないシーンあり。試写会の会場でも涙をすする音がちらほら聞こえてきたほど。

 それにしても伝説のシンガーであるフレディを演じたラミは、相当なプレッシャーだったのではないかという謎の心配をしてしまった私。しかし、ラミはブライアンとロジャーのおかげでフレディ役を完遂できたそう。フレディが若い頃にやっていた、コンプレックスの歯を隠す仕草なども完コピ! 他にも衣装合わせに50時間を費やすなど、かなりの苦労がたっぷり詰まった作品だと思います。それだけ意を込めて作ったのだなと、なんだかそんな背景まで考えて余計泣けてきてしまいました。

 実際にフレディ自身の歌声が使われている本作。クイーンファンの人も、私のように「クイーン?名前は知ってるけど」レベルの人でも、楽しめる!心躍る!大スクリーンでぜひ。

(文/トキエス)

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『ボヘミアン・ラプソディ』
11月9日(金)より全国ロードショー!

監督:ブライアン・シンガー
出演:ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ、トム・ホランダー、マイク・マイヤーズ
配給:20世紀フォックス映画

原題:Bohemian Rhapsody
2018/アメリカ/135分
© 2018 Twentieth Century Fox

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