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恋愛と結婚は別物ですか?『追想』

『追想』 8月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー

イギリスではイアン・マキューアンの書いた本作の原作「初夜」は今世紀で最も人気を得た小説と言われている。作者のイアン・マキューアンは1945年以降のイギリス人作家ベスト50に選ばれるほどの人気。そんなイアン・マキューアン自身が新たな解釈を加えて脚本を手掛けている。

結婚式を滞りなく終わらせたカップル、フローレンス(シアーシャ・ローナン)とエドワード(ビリー・ハウル)は新婚旅行先でほんのささいなことから歯車が狂い出す。そこからみえてきた二人の未来への選択に心打たれる。

本作で素晴らしいのは脚でみせる感情表現だ。ストレスを感じたとき、緊張感や妖美さといった様々な感情が表情がうつらないのに脚だけから伝わってくる。
また、二人が口論になるシーンの立ち位置は舞台をみているかのようだと感じる。調べると監督ドミニク・クックは舞台演出家や脚本家として高い評価を得ている人物で長編映画は今回が初めてのようだ。

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一目惚れから始まった「恋」は二人の楽しく甘い時間をみせてくれる。
愛しているからこそ本音でぶつかり合えないそんなこともあるのだろう。恋愛期間はそれでも問題ない。だけど本音で話し合い、問題を解決していくことの連続がリアルな「結婚」の姿なのかもしれない。お互いに嫌なことは嫌だという勇気も時には必要となってくる。
ずっとイエスマンでいることは難しい。20代前半という大人ではいるけれどまだ将来がしっかりと定まっていない不安定な時期だからこそわき上がる感情が、本作ではとてもうまく表現されている。
また、大人になっていく瞬間を表現した海岸で起こる短い時間のやりとりは衝撃的な発言の連続であり、ほどよい緊張感となってあらわれている。

二人は新婚初夜のすれ違いをどのように受け止めどのような選択をするのか。
映画をみている中で普段予想するドラマチックな展開とは違ったリアルな展開にぐっとくる作品だ。

(文/杉本結)

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『追想』
8月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー

監督:ドミニク・クック
出演:シアーシャ・ローナン、ビリー・ハウル、エミリー・ワトソン、アンヌ=マリー・ダフ、サミュエル・ウェスト ほか
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES

原題:On Chesil Beach
2018/イギリス/110 分
公式サイト:http://tsuisou.jp
© British Broadcasting Corporation/ Number 9 Films (Chesil) Limited 2017

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