もやもやレビュー

子育てする前に観るべき。ディズニー悪役の子どもたちが主役『ディセンダント』

ディズニー・チャンネル オリジナル・ムービー最新作 『ディセンダント』 は、12月18日(金)日本初放送!

 ミュージカル映画の記録を塗り替えたディズニー・チャンネル オリジナル・ムービー『ハイスクール・ミュージカル』から約10年。ディズニー・チャンネルが、新たなミュージカル作品を生み出した! 「歴代ディズニー・キャラクターに子孫がいて、10代の子どもに成長していたらどうなっているか?」という斬新なアイデアから生まれた映画『ディセンダント』だ。気になる主人公はなんと、ディズニーヴィランズ(ディズニー映画の悪役たち)の中でも象徴的な存在であるマレフィセントの娘・マル。

 魔法のバリアで覆われたロスト島。そこにはディズニーヴィランズが暮らしていた。ヴィランズを島に閉じ込めたのはオラドン合衆国を築き上げた『美女と野獣』のビースト。そのビーストとベルの息子である16歳のベンは「ヴィランズの子どもたちに罪はない」と、マレフィセントの娘・マルと、『白雪姫』の継母イーヴィル・クイーンの娘・イヴィ、『アラジン』ジャファーの息子・ジェイ、『101匹わんちゃん』クルエラ・ド・ビルの息子・カルロスを、自分が通う学校に招き入れることに。生まれて初めて島を出ることになった4人は、マレフィセントからフェアリー・ゴッドマザーの杖を奪ってくるよう指示される。「親に認められたい」という想いから、悪の道を突き進もうと奮闘するが、なんせ彼らは思春期。心の中の良心と葛藤しながらも、友情や、初恋を通して成長していく。

 島では、赤ん坊のキャンディを取り上げるなど、小さなイタズラで親に認められようとしていたマル。それを見たマレフィセントは、唾をかけたキャンディを赤ん坊に返し「これが本当の悪よ」とハイレベルな嫌がらせをやって見せるのだ。そんな母親に育てられることを、自分に置き換えて想像しても、ぞっとする。そして、子どもの「親に認められたい」と思う気持ちは、かなり強いということ。悪かろうが「親の言うことは絶対
と思うことなど、本作を通して、親の行いは、子どもに多大なる影響を及ぼすということを学べた。将来、子どもを持ったときにもう一度見返したい作品だ。また、悪名高き親に怒られることに、ビビりながら頑張る子どもたちの姿が純粋すぎて、大人の心にも十分届く感動作に仕上がっている。

 そして、クルエラの息子・カルロスは犬が苦手だったり、イーヴィル・クイーンの娘・イヴィは今どきのオシャレ女子だったりと、設定もかなり面白い。ヴィランズ以外にも、シンデレラの息子や、ムーランの娘など、さまざまなキャラクターも登場するところも見所。「これ、だれの子どもだろう?」と予想しながら観ているだけでもかなり楽しめるのだ。

 そんな本作は、全米でのべ1220万人以上が視聴するなど、驚異的な数字を叩き出している。日本では12月にディズニー・チャンネルで日本初放送。テレビを飛び出し、劇場でも公開されるような、ネクスト『ハイスクール・ミュージカル』になることを期待したい。

(文/アヤカ)

ディズニー・チャンネル オリジナル・ムービー最新作
『ディセンダント』
12月18日(金)20:00~22:00
ディズニー・チャンネルにて日本初放送

+DES_11X17_FM2.jpg

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム