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「物」になることに抗い続けた、男の軌跡 『それでも夜は明ける』

アカデミー賞作品賞ほか受賞! 『それでも夜は明ける』が公開中

 本年度のアカデミー賞作品賞を受賞した本作が映すのは、アメリカの歴史の暗部である「奴隷制」です。妻と子供達と幸せな生活を送っていた、バイオリニストのソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)。そんな彼を襲ったのは、白人たちによる拉致、そして「奴隷」として商品化されるという悲劇でした。

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 捉えられたソロモンを待っていたのは、錠による手足の拘束と拷問のような鞭打ち。自分は自由黒人(「自由証明書」という文書によって自由に生活することを保証された黒人)であると必死に説明するも、弁解も空しくアメリカ南部へと売り飛ばされてしまいます。その後、奴隷制に懐疑的なオーナーのウィリアム・フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)や、反対に奴隷に苛烈な虐待を加えるエドウィン・エップス(マイケル・ファスベンダー)のもとで使役されながらも、自由への回帰を決して諦めないソロモン。絶望な状況に必死の食らい付く彼の運命は、農場を訪れたサミュエル・バス(ブラッド・ピット)との出会いによって大きく動き出します。

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プロデューサーを務めたブラッド・ピット、もちろん出演もしてます!
   「奴隷制」という固い檻から逃れるために、戦い抜いたソロモンの12年間のストーリーは、実際に彼が1853年に出版した自伝が元になっています。つまり、スクリーンに映される壮絶な光景は、アメリカで現実に起きた出来事であり、現在でも目を背けられ続けている過去の史実です。(アメリカ国内では、「余りに奴隷制の残虐性を描きすぎている」として、興行収入を懸念した映画会社が製作に難色を示したそう)。

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助演女優賞を受賞したルピタ・ニョンゴ。アカデミー賞会場で、彼女が司会のエレンに差し出したクラランスのリップクリームが人気沸騰中!

 はっきり言ってしまえば、この映画は娯楽作品ではありません。ですが、ここに映される物語は、誰もが知るべきといっても過言ではない種類のものだと思います。ぜひ、劇場でソロモンが生き抜いた12年間を体感してみてください。

(文/伊藤匠)


『それでも夜は明ける』
TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開中

原題:12 Years a Slave
監督:スティーヴ・マックィーン
出演:キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチほか
配給:ギャガ
2013/アメリカ・イギリス合作/英語/134分

公式サイト:http://yo-akeru.gaga.ne.jp
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