中二病の夢を詰め込み過ぎて消化不良『ザ・サイキック 覚醒の賢者』

- 『ザ・サイキック 覚醒の賢者(字幕版)』
- ジェームス・マーク,ジェームス・マーク,クリス・マーク,ジェシカ・クレメント,アラン・ムーシ,デニス・アキヤマ

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ジャケットがダサさを極めたデザインが気になり「何の冗談だろう?」と視聴したら、中二病患者の夢が詰まった内容で思わず絶句。思春期前後のお年頃で視聴したら黒歴史がフラッシュバックして憤死するかも知れない。
記憶喪失のディヴィットは叔父と暮らす高校生で、闇の組織に狙われているという幻覚に悩まされていた。いつも通りに登校し、授業を受けていると教室に武装集団が乱入。デヴィッドを見つけ銃を突き付けると、頭の中で声が聞こえ、能力を覚醒。武装集団を超人的な力で一網打尽にした。自身の能力に戸惑うディヴィットだが、叔父が謎の組織に捕らえられてしまい――というあらすじ。
単にあらすじを書いているだけなのに気恥ずかしさに襲われる。この手の妄想をしたのが数十年も昔だからまだ耐えられるが、若い頃に本作を視聴したらデバイスを破壊しただろう。
学校から自宅に戻ったディヴィットの前に謎の組織からの刺客が登場。どういう訳か自宅に日本刀がある主人公宅。それを使って見事撃退するも、別の部隊がさらに襲撃。
ひとまず脱出し、叔父が用意した荷物にはビデオメッセージ。叔父だと思っていた人は、異世界のエネルギーを人体に注入するという研究を行っていた組織所属の研究者。子供さえ実験台にする組織に反発し、ディヴィットを連れて組織から逃亡していた。自分を襲った連中は主人公と同じ被験者で、自分を悩ませていた幻覚はすべて事実だと知る。
ここで過去の自分の振る舞いについて考え出して恥ずかしさから床でゴロゴロしていると場面切り替わり、組織側のシーンに。
組織の隠れ蓑である企業の社長であるフジタカと、その企業の研究部門トップのイェンが互いの思惑を探り合う。
再び主人公側の場面に戻るとディヴィットは叔父とともに組織に捕らえられていた。「MEZA計画」なる、初見の単語がイェンの口から飛び出す。叔父が無言を貫くと即座に射殺。主人公にも銃口が向けられるが、自身の中の自分と出会い真に覚醒する。
そこから主人公の無双が始まるも、既に終盤のため駆け足に。駆け足のくせに組織の幹部が出てきたりして伏線を貼りまくり。しかし何ら回収することなくエンドロールへ。
中二病の夢を無理やり詰め込み過ぎて作品としては消化不良を起こしている。続編があるかのような終わり方だが2025年現在、当然ながら続編は存在していない(映画は17年公開)。出オチのような作品なので覚醒したシーンをショート動画で見る分には面白いと感じたかも知れないが、77分もかけて視聴するものではない。せめて徹底的に酷ければ笑う点もあったが、何とかまともにしようとする努力が感じられるため却って見るべきものがなくなってしまった感がある。
(文/畑中雄也)

