SFなのに設定の説明を吹っ飛ばして話が進む『コロニアルズ 侵略』

- 『コロニアルズ 侵略』
- ジョー・ブランド,アンドリュー・バレック,ジョー・ブランド,サイラス・チーク,グレッグ・クリーク,ショーン・カナン,ジョン・プロボスト,アリー・エアーズ

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本作はSF作品なのだけど、諸々の設定の説明を吹っ飛ばして話が進むので何が起きているのか皆目分からない。80分のうち半分くらいはそんな塩梅で「お前は誰で、何のために戦っているんだ?」という疑問符が頭に浮かびっぱなし。設定が解説され始める後半は理解できるかというと決してそんなことはなく、中途半端な説明の後、「俺たちの戦いはこれからだ!」と打ち切り漫画のような終わり方。B級映画のはずなのに、内容が1度の視聴で理解できない。話の筋自体はよくあるSF戦争モノなのに。
上記の通り、内容は特段難解な訳ではない。配信サイトなどのあらすじによると、「コロニアル」と呼ばれる火星入植者が、火星から追放した「エグザイル」との戦いを描いた作品となっている。コロニアルである主人公のサイラスが、エグザイルの攻撃を受けて地球に不時着した際、衝撃で記憶喪失となる。そこで地球人を奴隷化しようとするエグザイルに反抗するレジスタンスたちと共闘するという内容。
極めて単純な話なのだが、上記の通りコロニアルとかエグザイルとかいう単語の説明がないまま話が進む。途中から設定を解説してくれる人物は登場するなり早々に退場するため、作品から設定を理解するには不十分。登場人物も後半にわらわら登場するが特に人物の説明をされないため誰が誰だか分からない。そんな状態でいきなりエンドロールが流れるので、理解しろと言われても無理である。
一応、物語を時系列に描写しようと思ったが書いてみて自身が何を書いているのか分からないレベルで終盤まで話がとっ散らかっていた。そんなものを書いても仕方がないのでオチだけ書くと、最終的に敵の手に落ちた主人公は、エグザイルの治療により記憶を回復されることで持っていた異様な身体能力を発揮し敵を撃破。実はサイラスはコロニアル軍司令官の息子なので勝手に助けに来た艦隊が地球に集結し物語は終わる。オチと書いたがオチになっていない終わり方。主人公に異様な身体能力があるなんて説明は作中になかったのに。
作中、小ネタで笑わせようとする努力はところどころに見られたが、そんなサービスよりも話を整理して解説に回してくれた方がありがたかった。設定の説明などが置き去りにされるのはB級映画によくあることだが、ここまで視聴者を置き去りにした作品は珍しい。ホラーなら説明が不足しても不条理で押し通せるが、本作のジャンルは設定が全てのSFだ。いくらB級映画が酷さを楽しむと言っても、作品の体をなしていないのは反則だろう。
(文/畑中雄也)

