もやもやレビュー

77分の視聴時間が地獄になる『ヘルゲート 地獄の門』

ヘルゲート 地獄の門(字幕版)
『ヘルゲート 地獄の門(字幕版)』
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 多分シュルレアリスムに基づいた作品でもないし、純文学を基にした作品でもない娯楽作品なのに77分のどこを切り取っても意味が分からない。B級映画に歴史考証とか整合性とかを求める気はないが、エンタメとして成立させようとする意図を感じられないのは論外だろう。何度か見返しても感想は毎度「何を言っているのか全く分からない」でしかなかった。

 そんな作品でもあらすじは一応意味が分かるだろうと現在読み返したのだが、これまた意味が分からない。コピペして「こんな意味の分からない日本語があるか!」と言いたいところだが、そのまま転載は問題ありそうなので興味があったら読んでみてほしい。

 仕方がないから自分なりにあらすじを説明すると、西暦2179年の米国サンフランシスコには悪魔やミュータントとの戦争を避けるための居住区が存在している。しかし、そこではミュータントを戦わせる違法賭博が横行していた。プロモーターのエクストラクトは、新たな闘技場を求め愛人ベセスダを連れて所有者不在の物件を訪れていた。案内人の男が「邪悪な心を持った本物の悪党」とエクストラクトを挑発し、男を射殺。男の死体はなぜか跡形なく消えてしまった。エクストラクトは闘技場の営業を開始し、愛人のベセスダは闘技場のファイターである犬男に興味を抱き――という内容。「という内容」と書いておいて何だが、意味が皆目分からない。しかし、公式のあらすじは未見だともっと意味が分からないので途方に暮れる。ちなみに作品冒頭では西暦804年にオレンジ色の道着を着た東洋人が空手らしき組手を行っているところからスタート。そこに悪魔が現れて「秩序を守れ」とか言い出す。このシーンだけでツッコミどころ多数だが、無秩序極まりない作品なのに冒頭のセリフが秩序の順守とは恐れ入る。

 閑話休題。犬男に興味を持ったベセスダはエクストラクトを即殺害。何故殺したのか全く分からない。

 突如2人の部下であるオーソンが闘技場地下の開かずの門の前で「古代中国の僧侶はここを地獄の門だと考えたらしい」とか、地理感覚皆無な寝言をほざく。舞台がサンフランシスコなのに、どこから古代中国の僧侶が湧いて出たのか。

 終始このような意味不明なたわごとがこれでもかとねじ込まれる。開かずの門はあっさり開いて炎の犬が飛び出し闘技場の闘士を殺害して犬人間に変えるわ、愛人が地獄の門をくぐって指輪を持ち帰り悪魔に憑依されるわと収拾つかない状況に。しまいには、大した人物描写をされていないオーソンが悪魔から最も邪悪として憑依されそうになる。

 「どうやってオチを付けるんだ?」と眺めていたら冒頭に出てきた悪魔が憑依した悪魔を捕らえて地獄の責め苦を与えると宣言して終了。

 ツッコミ待ちのB級映画は珍しくないが、一から十まで理解不能な作品にはそんな余地がない。流石に全編にわたってボケ倒されるとは思わなかった。

(文/畑中雄也)

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