もやもやレビュー

奥崎謙三はYouTube時代の撮れ高気にしすぎ男だった?!

ゆきゆきて、神軍
『ゆきゆきて、神軍』
原一男,小林佐智子,奥崎謙三
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『ゆきゆきて神軍』は、ドキュメンタリー映画の金字塔と言われる原一男監督の映画だ。主人公の奥崎謙三は神戸でバッテリー商を営む男。天皇の戦争責任を追求し、かつて天皇に向かってパチンコ玉を放ち逮捕歴がある。もう、その店構えからして、異様なのだが(映画で確かめてほしいが、みっちり文字が書かれている)奥崎自身もかなりのクセつよだ。

独特の自家用車に乗って公安につけられてもびくともしない。むしろ逮捕してみろと言ってみせる。そんな奥崎は、戦争体験中に、上官に理不尽な殺され方をした同僚のために、上官を詰めに行く旅に出る。そこでは、病室でもう寝たきり同然の上官の横で責任を捲し立てたり、殴りかかったり、もうめちゃくちゃなのだが、それも奥崎の個性である。というか、どんどんカメラが追うごとにエスカレートしていく。その行動を静かに見守る奥さんが微笑ましい。

原監督がのちに語っていることではあるが、奥崎は演じていたと。明らかにカメラを意識していたと語っている。それゆえの行動ならばうなずけないでもないが、いくらなんでも撮れ高気にしすぎだろ・・・。監督としてはありがたいんだろうけど。

サービス精神旺盛な奥崎の衝撃的なラストはぜひ実際にサブスクでごらんください。笑うしかありません。いや、笑えない。そんな奥崎も奥さんも、もうこの世にはいないのである。

(文/神田桂一)

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