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テロの衝撃、その瞬間エレベーター内では何が?『ナインイレヴン 運命を分けた日』

ナインイレヴン 運命を分けた日(字幕版)
『ナインイレヴン 運命を分けた日(字幕版)』
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チャーリー・シーンやウーピー・ゴールドバーグといった豪華キャストが出演する『ナインイレヴン 運命を分けた日』は、2001年9月11日にワールドトレードセンターのエレベーターに閉じ込められた5人の運命を描いたドラマです。9月11日、多くの人が犠牲となる一方で、ヒーローのように人々を助けた人が実際に多くいました。本作でも、そんな英雄の姿が描かれています。
事件当日の午前8時46分、突然エレベーターが停止し、閉じ込められたのは億万長者のジェフリー(チャーリー・シーン)と離婚調停中の妻イヴ(ジーナ・ガーション)、娘の誕生日を祝うために急いでいた自転車便のマイケル、ビルの保全技術者エディ、そして華やかな女性ティナ。状況が分からないまま混乱する彼らに、エレベーター配車係のメッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)が電話を通じて精神的な支えとなり、助けを求めるようアドバイスします。しかし、当初は事故と思われていた出来事が、ニュース映像によってテロであると判明。メッツィーは危険を承知で、最後まで彼らを助ける手立てを模索します。
実際に起きた悲劇を題材にした本作ですが、IMDbによるとエレベーター内の出来事は完全なフィクション。実際には、少人数がエレベーターに閉じ込められたものの、壁を破ってビル内のトイレへと移動し、その後脱出に成功したといいます。それでも、本作は緊迫感あふれる演技と臨場感によって、"その場にいるような恐怖"を体感できます。
9.11をテーマにした映画は数多くありますが、本作は涙を誘う感動作というより、極限状態での人間の絆と決断を描いた作品。そして"英雄"の姿に心打たれることでしょう。リアルな恐怖と、勇敢に立ち向かう人々の姿がスクリーンいっぱいに広がる『ナインイレヴン 運命を分けた日』は、改めてあの日の出来事を考えさせられる一本です。

(文/トキエス)

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