もやもやレビュー

82分でたっぷり楽しめマス。『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
竹林亮,野呂大介,福田文香,夏生さえり,竹林亮,円井わん,マキタスポーツ,長村航希,三河悠冴,八木光太郎,髙野春樹
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監督は、『14歳の栞』がロングランヒットを記録した竹林亮。2022年に公開になりました。

とある小さな広告代理店で働く吉川朱海(円井わん)は、憧れの人のいる大手広告代理店からヘッドハンティングを受けながらも、日々一生懸命働いていました。
月曜日、前日から泊まり込みでそのまま朝を迎え、鳩が窓ガラスに激突した衝撃で、社員たちが目覚めます。部長(マキタスポーツ)が出勤し、仕事を始めようとする吉川でしたが、後輩の遠藤と村田から、「僕たち、同じ一週間を繰り返しています」と告げられます。

二人によると、このループから抜け出すには、①部長が身に着けている怪しいブレスレットを部長自身の手で壊し、②吉川→森山→平→部長の順で上申し、全員にタイムループを認識してもらう必要があるというのです。

先輩や上司にタイムループを気づかせるため、試行錯誤を繰り返す吉川。何度も同じ時間を繰り返しているおかげで次に何が起きるかを完璧に言い当てられるし、プレゼンも相手の言うことを知っているため余裕でクリアできたり。

そうして、徐々にタイムループを認識する仲間が増えていき、一刻も早くタイムループから脱出したいがためにチームワークが抜群に良くなっていく様も爽快でした。例えば、森山の仕事のミスをすかさずカバーしたり、森山がアイドルグループのファンであることを知り、共に応援したり。多忙な平のために、デザインスキルを学び習得してデザインをこなして助けたり。

目的はタイムループから抜け出すことでしたが、いつの間にか、どんどんチームワーク
が良くなり、互いの信頼関係も芽生えていったのでした。それって、会社で本来あるべき姿でもあり、実はとても大切なことだよなぁとしみじみ実感しました。

吉川たちは無事にタイムループから脱出できたかの結末も気になりますが、劇中でてく
る漫画が何気に深くて感動したり、オフィスの様子も共感できる部分があったり、本編82
分という短さですが見所たくさんの本作です。

(文/森山梓)

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