これまでの登場人物が一新！ 豪華俳優が出演した『スパイラル：ソウ オールリセット』

　2004年以降、胃が重くなるようなゴア描写と衝撃的なラストで多くのファンを獲得してきた『ソウ』シリーズ。今回ご紹介するのは、過去のシリーズに登場してきた人物が一新され、ウィル・スミスのビンタ事件で有名となったクリス・ロックが主演、そしてサミュエル・L・ジャクソンなど豪華俳優が出演した『スパイラル：ソウ オールリセット』（2021年公開）です。過去に出てきたあの人が......！ と同シリーズならではのサプライズが全くない本作。過去作品全く知らないけど、『ソウ』ワールドに浸ってみたいという方にはおすすめです。

　ある日、警察官の酷い死体が地下で発見されます。それは、連続殺人鬼のジグソウの手口に似ており、犯人は警察をターゲットにして、猟奇的なゲームを仕掛けていきます。そんな中、捜査官のジーク（クリス・ロック）宛に犯人からUSBが届き、相棒で新人警官のウィリアムとともに犯人確保に挑みます。しかし捜査を進める中、伝説的刑事でジークの父マーカス（サミュエル・L・ジャクソン）が姿を消してしまい......。

　デヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』から影響を受けているのではなかろうか......とスリル満点な描写が多く、仕掛けられたゲーム（装置）もオリジナルシリーズに劣らぬレベルではあります。しかし、これまでのシリーズにはなかった「犯人が予想しやすい」ということが最大の欠点。「安っぽい」「脚本もわかりやすすぎる」など多くの否定的レビューが海外で目立っていて、私もそれに同意してしまいました。どんどん被害者が出る中、警察の無能さにももはや笑えてしまった一本。ただ、サミュエル・L・ジャクソンの演技は、どんな作品でも光るのだなと改めて感じた作品でした。

（文／トキエス）