なりすましの天才が起こす惨劇『リプリー』
- 『リプリー [Blu-ray]』
- マット・デイモン,グウィネス・パルトロウ,ジュード・ロウ,ケイト・ブランシェット,フィリップ・シーモア・ホフマン,ジャック・ダべンポート,アンソニー・ミンゲラ
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マット・デイモン主演、グウィネス・パルトロー、ジュード・ロウ、ケイト・ブランシェットなど豪華俳優陣が集結した映画『リプリー』(1999年)。地味な青年が、大富豪の青年になりすましたことから、どんどん衝撃的な展開になっていく本作。オープニング・クレジットシーンから目が離せませんでした。
舞台は1950年代のニューヨーク。青年トム・リプリー(マット・デイモン)は、あるパーティーで他人から借りたジャケットを着用しており、そこで大富豪のグリーンリーフから、息子ディッキーと同じプリンストン大学に通っていたと勘違いされます。咄嗟に、ディッキーの友人を装ったトム。するとグリーンリーフからイタリアで遊び暮らすディッキーを連れ帰ってきて欲しいと依頼されます。報酬ももらえることからトムは、この役目を引き受け、早速イタリアへと向かうことに。大学の友人を装ってディッキーに近づいたトムでしたが、次第にディッキーの魅力にハマっていきます。そんな中、トムは、ホテルのフロント係にディッキーと間違われ......。
リプリーは、メガネをかけた地味な青年というイメージ。しかし時折、彼は普通の人では考えられないような行動をとります。妄想癖が強く、咄嗟につく嘘も賢くて大胆。そのため彼の行動を見ていると、手に汗が滲む感覚を覚えます。彼の中で「本当の自分」と、「自分が作り上げた自分」が徐々にわからなくなっていくという悩みの部分も繊細に触れている本作。ちなみに本作の音楽は、クラシックとコンテンポラリーが混ざり合っていることから、本編全体に抑揚がつけられているような、そんなユニークな一本でした。衝撃的な結末は必見。
(文/トキエス)