実話とは信じ難いイタズラ事件『コンプライアンス 服従の心理』
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田舎町の小さなファストフード店。一週間で最も忙しい金曜日。しかもミスによって品薄状態。マネージャーがピリピリしている中で、ある一本の電話がかかってくる......。映画『コンプライアンス 服従の心理』では、どこにでもありそうなこのカオスな状況を、まるで殺風景な一室に閉じ込められ「ゲーム」をするシチュエーションスリラーのように描いた胸糞映画。ストーリーが進むにつれ、これが実際の事件をもとにしているとは信じ難い(というか信じたくない)一本でした。
ファストフード店でマネージャーを務めるサンドラ。前日にスタッフが冷蔵庫を閉め忘れたことにより、食材が台無しになる中、品薄状態でなんとか多忙な金曜日を乗り切ろうとしていました。そんな中、警察から一本の電話を受けます。その警察官は、「店のレジ担当が、客のお金を盗んだとして被害を訴えている人がいる」と状況を説明。レジを担当していたベッキーは早速サンドラに控え室に呼び出されるも、彼女は盗んでいないと主張。するとその警官は、服を脱がせて身体検査をしろとサンドラに命令し......。
本作で肝なのは、サンドラは多忙すぎて余裕が一切ないということ。優しい人も忙しくなると余裕がなくなり、人に辛く当たってしまうもの。警察を名乗る人物は、そんな状態の彼女をお世辞と脅迫を交互に繰り返しながら、巧みに操っていくのです。本作は、2004年にアメリカのマクドナルドで実際に起きた事件。ちなみに同様の事件は70件も被害報告されています。見ていると、胃が刺されるような感覚を持ってしまう、そんな作品。視聴には十分注意が必要です。
(文/トキエス)