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日韓問題に向きあう『復讐の記憶』

『復讐の記憶』 9月1日(金)公開

家族を死に至らしめた裏切り者への復讐を心に誓い生きてきたピルジュ(イ・ソンミン)は、認知症で自分の記憶が長くは続かないと悟り、60年前から計画していた復讐を開始する。その計画に巻き込まれたのが、バイト先の同僚の青年インギュ(ナム・ジュヒョク)。祖父と孫ほどの年の差があるこの二人の復讐劇は予測不能な逃走劇へと展開していく。

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日韓問題を韓国人の視点から描いた本作を、日本人である私たちが鑑賞することに大きな意味を感じる作品だった。満州事変で起こったことに対して韓国人が受けた酷い扱い、日本人への恨みや怒りを真正面から受け止めることに私たちはなる。

いつも戦争の映画をみていて考えることがある。戦争映画はやられた側からやった側を悪として作られている作品がどうしても多くなる。その作品を悪として表現されている国の人がみる時にどんな風に受け止めるのだろうか?という疑問。
日本人は戦争でやられる側に描かれることが多く、悪として表現されることが少ない。本作では日本人は確かに悪だった。日本人が起こした悪を受け止めながらの鑑賞に複雑な気持ちとなった。日本人が完全に悪として表現されている本作に重みがあった。

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本作の中には歳の離れた2人の友情も見どころのひとつとなる。お互いを思いながら、足りない部分を埋め合う姿はシンプルに胸が熱くなった。
2人の関係は確かに親友だった。ラストシーンをどう読み取るか...。誰かと話したくなる作品だった。

(文/杉本結)

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『復讐の記憶』
9月1日(金)公開

監督:イ・イルヒョン
出演:イ・ソンミン、ナム・ジュヒョク、ソン・ヨンチャン、ムン・チャンギル ほか
配給:ハーク

2022/韓国/128分
公式サイト:https://fukushu.jp
予告編:https://youtu.be/aVkUERHPydM
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