移民問題を考える『終末の探偵』
『終末の探偵』 シネマート新宿ほか全国順次公開中
気がつけばもう2022年も終わりに近づいてきた。日本人の今年のニュースの中でも1番ともいえるのが値上がりラッシュ。円安はいつまで続くのだろうか...。円安だとどんな風に生活が変わるのか? 賃金が上がっていかないといよいよ日本人も出稼ぎに外国へ行く人もでてくるのかもしれない時代にさしかかっているように感じる。
今回紹介する本作は一見するとただの探偵ものだが、移民問題について深く考えさせられる物語。主人公がひょんなことから知り合った女性から、行方不明になった友人を捜すのを手伝って欲しいと依頼されるところから始まる。
日本での普段の生活では縁遠いような気がしている移民という存在。自分自身も、日本人が移民についてどのように思っているのか?ということについて深く考えたことはなかった。自分にとって移民問題は、あまり身近な問題ではなかったからだ。では、移民に反対する人はなぜ反対しているのか? そこには不法移民問題など深刻な問題が潜んでいることなどを本作は教えてくれる。たった80分のドラマだが、今、見る意義は大きい。
文化や風習の違い、自分たちとは違う常識をもっている人を受け入れる空気感を広く作る努力はまだまだ出来ていない部分が多いようにも感じた。とはいえ、色々な理由で移民となる人がいるので一概には言えない問題なだけに奥が深い。貧困や犯罪ということが起こるかもしれない危険も背中合わせにあるのは事実。
鼻に絆創膏をトレードマークにした探偵のハードボイルドエンターテイメント。ぜひ、劇場でサクッと楽しんでいただきたい!
(文/杉本結)
『終末の探偵』
シネマート新宿ほか全国順次公開中
監督:井川広太郎
出演:北村有起哉、松角洋平、武イリヤ、青木柚、髙石あかり、水石亜飛夢 ほか
配給:マグネタイズ
2022/日本映画/80分
公式サイト:https://syumatsu-tantei.com
©2022「終末の探偵」製作委員会