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ロバート・デ・ニーロ&メリル・ストリープが描く"純愛"不倫『恋におちて』

恋におちて (字幕版)
『恋におちて (字幕版)』
ロバート・デ・ニーロ,メリル・ストリープ,ハーヴェイ・カイテル,ジェーン・カツマレク,ジョージ・マーティン,デヴィッド・クレノン,ダイアン・ウィースト,マイケル・クリストファー,ウール・グロスバード
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 1984年の恋愛映画『恋におちて』。数々の作品で大活躍を見せているロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープが、不倫はダメだとわかりながらも恋に落ちていく男女を演じています。

 舞台はニューヨークのクリスマス。ある書店で、モリー(メリル・ストリープ)とフランク(ロバート・デ・ニーロ)はぶつかります。プレゼントをたくさん買いすぎたフランクの荷物をまとめるのをモリーは手伝い、その後二人は「メリークリスマス」と言って立ち去ります。

クリスマスの日、モリーは夫にプレゼントするはずだった本が、自分が購入したものと違う本だったことから、フランクとぶつかった時に本が入れ替わっていたことに気づきます。そこから数ヶ月後、通勤電車がたまたま同じだった二人は再会し、どこかお互いを気になり始めます。そこから通勤中は隣に座ったり、ランチやカフェに出かけたりと会う回数を増やしていった二人。お互い、家庭があることを打ち明けているものの、徐々に惹かれあい、やがては家庭にも影響が及ぶように......。

 本作で最も印象的だったのは、フランクの妻が何かを感じ取り、フランクと話し合うシーン。ネタバレになるので詳しくは言えないものの、この妻とフランクとの会話が、ドロドロした不倫ではなく"純愛"の不倫を象徴しているのだと思いました。ちなみにロバート・デ・ニーロは、フランクという役に細部までこだわり、本作には登場しないものの、フランクの名刺を作ってもらっていたそうです。また妻との電話の会話では脚本家に妻のセリフを書いてもらったのだとか。現在は名優として知られるロバートとメリルの若かりし頃の恋愛映画、ぜひ週末のおうち映画にいかがでしょうか。

(文/トキエス)

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