欲望と支配に溺れていくCEO『ベイビーガール』

- 『ベイビーガール』
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15歳から女優としてキャリアをスタートし、今もなおハリウッドの第一線で輝き続けるニコール・キッドマン。そんな彼女が、インディーズ映画の名門A24とタッグを組み、衝撃的な作品に挑みました。タイトルは『ベイビーガール』。50代後半の女性CEOがインターンの青年との支配と服従の関係に満たされていくストーリーで、ニコールは圧巻の演技を披露し、ヴェネツィア国際映画祭で最優秀女優賞を獲得しています。
物語の主人公は、50代後半の女性CEO・ロミー。キャリア、名声、幸せな家庭、すべてを手に入れた彼女ですが、夫との性生活に満たされず、物足りなさを抱えていました。そんな彼女の前に現れたのが、若きインターン・サミュエル。彼はロミーをメンターに選び、ふたりは仕事を通じて距離を縮めていきます。やがてサミュエルはロミーの中に隠された欲望を見出し、ふたりは合意のもと情事を重ねていくように。しかしこの関係は、もし明るみに出ればロミーの社会的立場を揺るがすリスク大。それでもなお、ロミーはサミュエルとの"刺激的な駆け引き"にのめり込んでいきます。
本作は、一見『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を彷彿とさせるような関係性を描いていますが、決定的に違うのは主導権を握るのがインターンで、支配されるのが50代女性であること。しかも、相手のサミュエルはグレイのような完璧な支配者ではなく、不器用な青年。ロミーが従順になることに戸惑いながらも興奮し、自分自身も"支配する快楽"に目覚めていくサミュエルを、実力派若手俳優ハリス・ディキンソンが見事に演じています。特に印象的なのは、サミュエルがロミーをホテルに呼び出すシーン。彼のぎこちなさと、ロミーの抑えきれない欲望が交錯する非常に興味深くユニークなシーンとなっていました。
欲望に飲み込まれたロミーが最後に辿り着く先にも注目です。
(文/トキエス)

