もやもやレビュー

『月刊予告編妄想かわら版』2022年7月号

『戦争と女の顔』(7月15日公開)より

毎月下旬頃に、翌月公開の映画を各週一本ずつ選んで、その予告編を見てラストシーンやオチを妄想していく『月刊妄想かわら版』十一回目です。
果たして妄想は当たるのか当たらないのか、それを確かめてもらうのもいいですし、予告編を見て気になったら作品があれば、こんなご時世ですが映画館で観てもらえたらうれしいです。
7月公開の映画からは、この四作品を選びました。

***

『リコリス・ピザ』(7月1日公開)
公式サイト:https://www.licorice-pizza.jp/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=rJ0SkhQdIos

リコリスピザ_メイン画像.jpg ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作は1973年のハリウッド近郊を舞台にした『リコリス・ピザ』。芸能活動をしている高校生のゲイリーが年上のアラナに出会って恋をするという青春もの。「結婚したい女性と出会った」とゲイリーは語り、アラナをディナーに誘うなど積極的な行動に出ているのも予告編で見ることができます。アラナがかなり年上の男性と一緒にいるのを見てしまうゲイリー、という風に二人の恋にはいろいろ障害があるようです。
「オッパイ見たい?」とゲイリーの家を訪ねて来て言うアラナはそのまま上を脱ぐ。彼が「触っても?」も言うとビンタをして、「じゃ、明日」と出ていく印象的なシーンも見れます。
 ここからは妄想です。アラナに「君も僕を忘れない」と言うゲイリーや、彼が警官に連れていかれる場面も予告編にあります。予告編を見る限りはエバーグリーンを感じさせる青春映画の傑作なのでは?と予感させます。
 となれば、やはり二人は結ばれずに想いだけは残しつつも会えなくなってしまう、そんな終わり方ではないでしょうか? 70年代という近過去を舞台にしているので現在50代になった二人が再び出会って、思い出話をするというシーンもあるかもしれません。二人が笑いながら走っているシーンがもうエモくてたまりません。

sub1.jpg『リコリス・ピザ』
7月1日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
配給:ビターズ・エンド、パルコ
© 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.


『ソー:ラブ&サンダー』(7月8日公開)
公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/thor-love-and-thunder.html
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=uQjj3epsd2s

『ソー:ラブ&サンダー』メイン.jpg タイカ・ワイティティ監督がアベンジャーズのヒーローである雷神ソーを主役に神バトルを描く『ソー:ラブ&サンダー』。ソー(クリス・ヘムズワース)の前に元カノであるジェーン(ナタリー・ポートマン)がソー以上の力を持ったマイティー・ソーとなって現れる。
 二人のソーの前に全宇宙の神々滅亡を誓う"神殺し"のゴア(クリスチャン・ベール)が現れて、襲いかかってくることになるようです。「君の戦いぶりは素晴らしい」と元カノを褒めるソー、歩いている二人の指が絡むシーンも予告編で見ることができ、戦いながら新たな信頼と愛情を得ていくようです。
 ここからは妄想です。と言っても二人のソーが協力してゴアを倒すというラインは揺るぎないと考えると、ゼウス(ラッセル・クロウ)によって多くの神々の前で全裸にされているソーなどコミカルな部分も予告編にあり、ポップコーンムービー的な笑って楽しめる作品になっているはずです。個人的にはビールを飲みながら観たいです。
 MCU作品のエンドクレジットでは次なるマーベルスタジオ作品に繋がるキャラクターが登場します。ラストシーンでは二人のソーの間に子供ができて、新たなベイビー・ソー(神)が生まれるが、将来最恐のヴィランになってしまう予感させる。というのはどうでしょうか?

『ソー:ラブ&サンダー』サブ1.jpg『ソー:ラブ&サンダー』
7月8日(金)全国公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©Marvel Studios 2022

『戦争と女の顔』(7月15日公開)
公式サイト:https://dyldajp.com/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=eaqt4SWK0Qg

sensou-to-onna_main.jpg カンヌ国際映画賞W受賞した新鋭カンテミール・バラーゴフ監督作『戦争と女の顔』。ノーベル文学賞受賞作家・スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの証言集『戦争は女の顔をしていない』を原案にした、第二次世界大戦後のレニングラードを舞台にした作品。
 PTSDを抱えながら病院で働く元女性兵士のイーヤ、帰還女性兵士のマーシャ。イーヤが面倒を見ていたマーシャの息子に起きた悲劇、そして戦争で負った傷で子供を産むことができなくなってしまったマーシャ。「あなたが産んで」とマーシャがイーヤに頼むシーンや、男性兵士たちとの関りなどが予告編で見ることができます。
 ここからは妄想です。「彼女の主人になりたい」というセリフ、一緒のテーブルに座っているイーヤとマーシャの姿も予告編にあり、マーシャはイーヤに代わりに子供を産んでもらうだけではなく、二人で子供を育てようと考えているようにも見えます。彼女たちは同性愛者というよりは、どこか戦争体験者の女性兵士という同じ境遇からのシスターフッドのようなものを求めている、そんな風にも見えます。イーヤはそれを当初は嫌がりますが、子供を産みマーシャと育てることで自身のPTSDを回復していくという展開かもしれません。戦争に巻き込まれた女性たちの生きる姿から、現在の世界を見る角度も変わるのではないでしょうか?

sub1.jpg『戦争と女の顔』
7月15日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
配給:アット エンタテインメント
© Non-Stop Production, LLC, 2019

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(7月29日公開)
公式サイト:https://www.jurassicworld.jp/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=xlxrUahdSDE

★メイン_<(c)-2021-Universal-Studios-and-Storyteller-Distribution-LCC.-All-Rights-Reserved.>.jpg 「ジュラシック」シリーズ最新作であり、完結作となる『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。人里から離れた山奥に住むオーウェン(クリス・プラット)たちの元に、恐竜のブルーが子供を連れて現れる。しかし、その子供が謎の集団に連れ去られてしまう。雄叫びをあげて怒っているブルーにオーウェンは「子供は必ず連れ戻す」と言葉をかけて約束をする。
「滅亡の時は近いな」と言うセリフと共に、世界中に解き放たれた恐竜たちが我が物顔で走り、飛び、泳いでいる姿も予告編で見ることができます。人類は恐竜たちによって滅ぼされるのか、あるいは共存の可能性を見出すことができるのか?
 ここからは妄想です。初期作である「ジュラシック・パークシリーズに出演していた面子も出てくるなど、まさに集大成となっているようです。また、最大の肉食恐竜にオーウェンたちが襲われているシーンもあるので、ブルーとその子供がオーウェンたちの危機を助け、最終的には他の恐竜たちとコンタクトをとって、恐竜世界を治めるという可能性もあるかもしれません。
 また、SF的なオチの可能性も考えれば、この「ジュラシック」シリーズ自体がコンピューターの中の世界で、その進化の過程を恐竜人間がシュミレーションしていたという驚きのラストもありえるかもしれせん。

(c)-2021-Universal-Studios.-All-Rights-Reserved.jpg『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
7月29日(金)より全国公開
配給:東宝東和
©-2021-Universal-Studios-and-Storyteller-Distribution-LCC.-All-Rights-Reserved. ©-2021-Universal-Studios.-All-Rights-Reserved


文/碇本学

1982年生まれ。物書き&Webサイト編集スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉──あだち充と戦後日本の青春」連載中です。

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