もやもやレビュー

大阪アジアン映画祭で拍手喝采の人間ドラマ『三姉妹』

『三姉妹』 6月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

本作はドラマ「愛の不時着」のキム・ソニョン、「オアシス」のムン・ソリ、「ベテラン」のチャン・ユンジュが三姉妹を演じ、第42回青龍映画祭をはじめとする韓国の主要映画祭で多数の女優賞を受賞した人間ドラマです。

ソウルに暮らす三姉妹。花屋を営みながら元夫の借金を返済している長女ヒスクは、娘に疎まれながらも大丈夫なふりをして毎日をやり過ごしている。高級マンションで家族と暮らす次女ミヨンは、模範的な信徒として熱心に教会に通い、聖歌隊の指揮者も務めている。そんな彼女の完璧な日常が、次第にほころびを見せはじめる。劇作家の三女ミオクはスランプに陥って自暴自棄になり、酒浸りの日々を送っている。父の誕生日を祝うため久々に集まった三姉妹は、そこで幼少期の心の傷と向き合うことになり、それぞれもがき苦しみながらも希望を見いだしていく。

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本作、大阪アジアン映画祭で上映された時に拍手喝采だったと聞いてから、とても楽しみにしていました。
三姉妹がそれぞれに抱える問題はどれもヘビーではあるけれど、誰にだって起こりえることでもあるから人ごととも思えない。
複雑な気持ちで鑑賞することになりますが、三姉妹全員、根はしっかりした真面目な性格。だからこそ、抱えた問題と正面から向き合いすぎてしんどさを発散する方向を見失ったり、そんな気持ちをなかったことにして蓋をしたりして、日々の生活をただ何事もなかったように生きていたんだと感じました。

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長女役のキム・ソニョンはとても自然な演技が素晴らしい。なんと旦那さんが本作の監督! 次女役を演じたムン・ソリの演技力、静かに話をしているだけなのにその場の空気が引き締る。流石、ベテラン女優。三女役のチャン・ユンジュの風貌にはかなり驚きました。世界で活躍するモデルの彼女が、スクリーンのなかではすっぴんシーンが多く、飲んだくれてだらしない生活を送っていたのはある意味衝撃的!

鑑賞中はイライラ、もやもやするシーンが多いですが、終盤には家族との関係を見つめ直す良い機会になる作品でした。

(文/杉本結)

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『三姉妹』
6月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

監督・脚本 イ・スンウォン
出演:ムン・ソリ、キム・ソニョン、チャン・ユンジュ、チョ・ハンチョル ほか
配給:ザジフィルムズ

2020/韓国/115分
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/threesisters/
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