断捨離してすっきりしよう!『ハッピー・オールド・イヤー』
『ハッピー・オールド・イヤー』 12/11(金)シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
タイ映画を鑑賞する機会はなかなかなく、記憶に新しい作品が『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』である。その作品を手掛けたスタジオから新しい作品が誕生した。『バッド・ジーニアス』の作品のテーマ「カンニング」もなかなかの衝撃だったが...今作『ハッピー・オールド・イヤー』のテーマはなんと「断捨離」!
断捨離がテーマの映画なんて他にみたことがない。一体どんな作品なんだろうと期待と不安を抱きながらの鑑賞だった。
主人公ジーンはミニマル主義者。必要最低限度のもの以外は家に置かないようにするスタイルを実現する為に、留学から帰ってきた彼女は自宅のあるビルを北欧風のお洒落な家にリフォームすることにする。しかし自宅には家を出ていった父親がかつて営んでいた音楽教室の名残が残り、母親はその中で父親を忘れられずに生活している。
家を整理する中で出てきた友達から借りたままだったものを返却しに回るジーン。そして元彼の持ち物を返却したことから自分と別れた後の彼のことを知ることになる。
家が片付くことと反比例するかのようにジーンの心の中はぐちゃぐちゃになっていく。
新しい気持ちで新年を迎えたいジーンだが、彼女の新年はいったいどうなるのだろうか?
作中では、断捨離のススメとでもいうかのように捨て方のコツを教えてくれる。掃除をしているときに思い出にひたってしまったり、漫画をつい読んでしまったりという掃除あるあるは国は違えど変わらないのだなと心の中でクスリと笑った。
そして、ジーンが何気なくつぶやく「感情って面倒くさい」という台詞がとても印象に残った。機械のようになんの感情もなくものを捨てられたらどれだけ楽だろう。
「これは、あのときの...」「もしかしたらこれから使うことがあるかも...」「高かったから捨てるのは勿体ない」感情が邪魔をしてなかなか片付けがすすまないなんてことも多いだろう。そんなときに「ときめく」「ときめかない」で物を処分するか決めるという方法を提唱したこんまりこと近藤麻理恵さんの断捨離方法はすごいということが再認識できた!
これから年末の大掃除シーズンを前にオススメしたい1本だ。
(文/杉本結)
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『ハッピー・オールド・イヤー』
12/11(金)シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督・脚本・プロデューサー:ナワポン・タムロンラタナリット
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン、サリカー・サートシンスパー、ティラワット・ゴーサワン ほか
配給:ザジフィルムズ、マクザム
原題:ฮาวทูทิ้ง..ทิ้งอย่างไรไม่ให้เหลือเธอ(英題:Happy Old Year)
2019/タイ/113分
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/happyoldyear/
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