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全てが異常...ショッキングな芸術ホラーに魅了されるリメイク版『サスペリア』

『サスペリア』 1月25日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

 「決してひとりでは見ないでください。」。ホラーファンがゾクゾクしちゃうキャッチコピーで知られるイタリアンホラーの傑作『サスペリア』。アカデミー賞作品賞はじめ4部門ノミネートされた『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーニョ監督によるリメイク版が、もうじき公開されます! 10歳のときに、たまたま見かけたポスターのセンセーショナルなビジュアルに魅了されて以来、いつか自分のサスペリアを撮影したいと願っていたというルカ監督。そんな夢が詰まった本作は、異常で異様。"芸術"としても、"ホラームービー"としても、観客が受け止めることができる衝撃度を、はるかに超えてしまっています......!

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 舞台は1977年、ベルリン。世界的に有名なマルコス舞踊団に入団するため、スージー・バニヨン(ダコタ・ジョンソン)がはるばるボストンからやってきます。見知らぬ土地での初めてのオーディションですが彼女は美しく力強いダンスを披露。カリスマ振付師マダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)の目に留まります。そして重大なセンターの役目に大抜擢! しかし、厳しいレッスンを受ける日々の中、彼女の周りで不可解な出来事が相次ぎ、ダンサーたちが次々と失踪。一方で、失踪したダンサーの一人を診ていた心理療法士のクレンペラー博士は、舞踊団の闇に近づき......。

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 バレエの舞踊団でいきなりセンターに大抜擢。そんなあらすじからは『ブラック・スワン』を思い出させますが、正直、『ブラック・スワン』よりもはるかに異常で恐ろしい......! トラウマになってしまう映像美に圧巻され、気づけばその "危険な美しさ"にのめり込んでしまいます。ちなみに40人の女性キャストが集まり閉鎖されたホテルで撮影されていた現場では、なんと月経周期がキャスト全員同じという、ちょっと怖い神秘的なミラクルも起こったそう。この作品自体に不思議なパワーがあるのかも。

さらに、本作の大きな見どころの一つは、クレンペラー博士(82歳・男性)。なんと特殊メイクをしたティルダ・スウィントンが演じてるんです!

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驚愕! ティルダ・スウィントン → クレンペラー博士

性別も年齢も超えた恐ろしい変身っぷり。私はちっとも気づきませんでした......。ちなみに本作でティルダは合計3つの役をこなしたそうです、まじで超人ですね。このように、びっくりすることが多すぎて、エンドロール後に整理するのが大変です。そういう意味でも、一人で見ないほうがいいのかも。大スクリーンで観て正解な一本です。

(文/トキエス)

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『サスペリア』
1月25日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

監督:ルカ・グァダニーノ
音楽:トム・ヨーク(レディオヘッド)
出演:ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン、ミア・ゴス、ルッツ・エバースドルフ、ジェシカ・ハーパー、クロエ・グレース・モレッツ
配給:ギャガ

原題:Suspiria
2018/イタリア・アメリカ合作/152分
公式サイト:https://gaga.ne.jp/suspiria/
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