もやもやレビュー

シリーズ10作目の超大作『ポリス・ストーリー REBORN』

『ポリス・ストーリー REBORN』 絶賛公開中!

「ポリスストーリー」ユニバースはジャッキー・チェンを語るうえで外すことの出来ないシリーズである。どの作品でもジャッキー・チェンが刑事を演じて悪と戦うのがこのシリーズ。ジャッキー・チェンがカンフースターからアクション俳優として世界で認められる存在になった現在にいたるまでの、こだわりのアクションシーンが詰まった作品集とも言えるシリーズである。1985年から続くシリーズ10作品目となる本作のみどころは、なんと言っても世界初となるオペラハウスの屋上で繰り広げられる戦闘シーン。その危険なスタントにしびれる。

ジャッキー演じる主人公の国際捜査官リンは白血病の娘シーシーが危篤状態の時にそばにいることが出来ず、生化学兵器の研究をしていた博士を守るために黒ずくめの犯罪組織と激闘を繰り広げていた。激闘のすえに大きな爆発に巻き込まれる。
それから13年後、オーストラリア・シドニー。かつての事件と酷似した内容の小説のハリウッド映画化のニュースが報じられる。その小説のデータを狙う謎のハッカー、黒ずくめの組織、リンとの攻防が始まる。
そして事件の鍵を握る女子大生ナンシー(オーヤン・ナナ)の元に、突然彼女を狙う殺し屋とリンが現われ危険に巻き込まれていく。

S-サブ1.jpg

この作品、オープニング13分間の雨の中のアクションシーンだけでもなんと1700カットも撮っているらしい。撮影に使われたのは本物の銃と弾丸、火薬で中国圏映画のなかでも大規模なものとなった。至近距離での爆発や銃弾の中をくぐり抜けながら演技する俳優陣。実際にけが人もでながらの過酷な撮影風景や、仲の良さそうな出演者達のオフショットをエンドロールで見られるのもジャッキー出演映画の特徴だ。エンドロールが終わるまで席を立つ人が少ない、よくできたエンドロールになっている。

大迫力のアクションは、実際ならこれはもう死んでるだろうと何度もツッコミを入れたくなるレベルではあるが、それでもジャッキーは不死身なんだ。『ミッション:インポッシブル』のイーサンや「ワンピース」のルフィーのように無敵でかっこいい、そんな存在で居続けてほしい。今後もジャッキー・チェンからは目が離せそうにない。

(文/杉本結)

***

S-サブ2.jpg

『ポリス・ストーリー REBORN』
絶賛公開中!

制作総指揮:ジャッキー・チェン
監督・脚本:レオ・チャン
出演:ジャッキー・チェン、ショウ・ルオ、オーヤン・ナナ、エリカ・シアホウ、カラン・マルヴェイ、テス・ハウブリック
配給:ツイン

英題:Bleeding Steel
2017/中国・香港/109分
公式サイト:http://policestory-reborn.com
© 2017 HEYI PICTURES CO., LTD., PERFECT VILLAGE ENTERTAINMENT HK LIMITED, DADI CENTURY (BEIJING) CO., LTD., MANGO ENTERTAINMENT, CHEERFUL LAND PICTURES CO., LTD., YOUKU PICTURES (HK) CO., LIMITED ALL RIGHTS RESERVED

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム