「電気」がなくても「愛」がある。『サバイバルファミリー』
『サバイバルファミリー』 は現在公開中です!
『WATER BOYS』『SWWING GIRLS』をはじめ若者の成長を描いてきた印象の強い矢口監督が、ある日突然「電気」がなくなったらというありそうでなかったテーマで一つの家族を描く。
映画を観ながら考えるのはもしも自分だったらということだ。
どこにでもいそうな平凡な4人家族。仕事が忙しく家族に対してどこか無関心な父親、現代女子高生らしいスマートフォン命の娘、無口で思春期真っ盛りな息子、こんな家族の不調和にどこか不満を抱きつつも気にしないようにしている母親。
そんな家族が直面する、朝起きてテレビもみられない、水も出ない、今までの普通が全部なくなった生活。果たして自分ならどのような行動をとるだろうか?
私が思い出したのは震災の被害にあった時のことだった。
私は小学生の時に阪神淡路大震災の被害に遭った。震災当日も、学校へ登校した。この映画でも電車やすべてのライフラインが途絶える中、みんな自転車や徒歩で職場や学校へ行っている。なんてまじめなんだ。よく考えたらとてもまじめで日本人らしいとしみじみ感じた。
この映画と同じようにガスも電気も水も出ないときに、母がガスコンロで水を沸かして髪の毛を洗ってくれた記憶が蘇った。今でも何かあったときのためにお風呂の水は夜捨てないで朝に捨てることにしている。リアルに水がないとトイレも流せなくなる。この映画では生き抜く上で大事なことをいくつも教えてくれている。
最後に本当に大切なものはなんだろうか?
食料やサバイバル術ももちろん大切だけど家族で一緒にいることの温かさを再認識する良い機会になるだろう。
今私たちが暮らしている環境がどれだけ恵まれ幸せなものか、改めて実感させてくれる映画だ。
(文/杉本結)
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『サバイバルファミリー』
2月11日(土)より全国東宝系にて公開中!
原案・脚本・監督:矢口史靖
出演:小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな ほか
配給:東宝
2017/日本映画/117分
公式サイト:http://survivalfamily.jp/
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