爽快な歌声に癒やされる『キセキ -あの日のソビト-』
『キセキ -あの日のソビト-』は、 1月28日(土)公開です!
音楽バンド「GReeeeN」の結成秘話がスクリーンで明らかになる。
CMやドラマの主題歌に次々と起用されていて耳にしたことのある人が大半だろう。
この映画の題名にもなっている「キセキ」はドラマ「ROOKIES」の主題歌にもなったのだが、ちょっとヤンチャな高校生が甲子園を目指し野球をする姿と曲が絶妙にマッチしていて、ドラマを見て毎回涙していた。
本作『キセキ -あの日のソビト-』は、その「キセキ」誕生の裏側を描いた、実話をもとにした作品だ。でも、なんでこのバンドをクローズアップして映画化したのだろうと新たな疑問がうまれる。
その理由の一つが、これだけヒット曲がたくさんあるにもかかわらず彼らが「顔出しNG」を貫き通しているということ。「GReeeeN」というバンドは音楽のみで勝負している。そう言いたいところだが、そこにも素敵なドラマが隠されていた。
バンドのメンバー全員がなんと歯医者! 勉強も音楽も出来るなんて才能の塊なのか! と思ったけれど映画を見ていく中でそこにも努力や葛藤があったことを知り胸が熱くなった。東日本大震災の際には、歯医者として彼らが歯から身元を割り出す作業に協力をしていたというニュースを耳にしたことがある。顔が分からない分、素敵な歌声や社会貢献に好感度があがる。
顔出ししていないことがプラスに転じて、映画の中で演じている俳優を本物と比べることが出来ない。だからこそ一人一人のキャラクターをすっと受け入れて鑑賞できるのだろう。
代表曲「愛唄」「キセキ」は心に響くメッセージと口ずさみやすいメロディーが人気となり音楽配信当時すごい勢いでダウンロードされ話題となった。
この名曲の裏に隠された兄弟、仲間、家族が起こしたまさに奇跡が描かれる。
今回メガホンを握る兼重監督は『そして父になる』『海街diary』で是枝裕和監督の助監督をつとめていた。とても感情にうったえかける作品を撮るのが上手な監督である。
そんな監督のもとに集結したGReeeeNを演じる4人の俳優は菅田将暉、横浜流星、成田凌、杉野遥亮。ひとつの作品にイケメン4人が集まると、将来みんな人気上昇するというジンクスもある。
たとえば、『僕たちは世界を変えることができない。』ここにでてきた4人というのが向井理、松坂桃李、柄本佑、窪田正孝である。当時まだ知名度が低かったが今となってみるとなんとも豪華。
本作で松坂桃李は、菅田将暉演じるヒデの兄・ジン役で出演している。髪の毛が緑色でメタルバンドのボーカルとして歌う姿がとてもかっこいい!
しかし、イケメンばかり集めて歌は大丈夫なの?と心配にも思ったりする人もいるだろうが、ご安心を! なんと彼らは、GReeeeNに負けないほどの歌声を披露してくれている。試写では一番後ろの席から鑑賞したが、観客はみんなノリノリ。頭を揺らしている人、足でリズムをとってみている人もいた。
GReeeeNというバンドの青春に心躍らせ。その足取りは、少し軽く爽やかな気持ちになることだろう。
(文/杉本結)
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『キセキ -あの日のソビト-』
1月28日(土)全国公開
監督:兼重淳
出演:松坂桃李、菅田将暉、忽那汐里、平祐奈、横浜流星 ほか
配給:東映
2017/日本映画/111分
公式サイト:http://kiseki-movie.com
© 2017「キセキ -あの日のソビト-」製作委員会