もやもやレビュー

パニックホラーで明らかになった安全な国・日本ならではの欠点。『アイアムアヒーロー』

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 銃とは無縁の暮らしが当たり前の日本。アメリカなど様々な国から「羨ましい」といわれるほど安全な日本ですが、そんな日本を舞台にしたゾンビ映画『アイアムアヒーロー』がマジ怖い! 銃を持っているのは主人公だけ! そんな装備で突然襲来したゾンビと戦えるのか? 「ボーイズ・オン・ザ・ラン」などで知られる花沢健吾の人気コミックを実写化した本作。主演は実力派俳優として名高い大泉洋です。

 35歳の漫画家、鈴木英雄は15年前に新人賞を受賞したものの、その後一向にヒット作を生み出すことができずアシスタント生活を送っていました。同棲する恋人・徹子とは冷めきった関係が続き、必死に完成させた新作も出版社から一蹴されてしまいます。そんな冴えない日常は......しかし突如終わりを告げるのです。

 噛まれると感染して理性を失い、凶暴なZQN(感染者)になってしまうという謎の病気が大流行! 街中はZQNで溢れかえっていました。趣味で所持していた散弾銃を背負い、必死で感染者から逃げまどう英雄。その途中、女子高生の早狩比呂美(有村架純)に出会いますが、彼女は赤ん坊のZQNに噛まれて半分人間、半分ZQN状態。その後、人気のないショッピングモールにたどり着いた二人は、藪(長澤まさみ)という強気の看護師に出会います。

 英雄は銃を所持しているものの、いざ人に銃を向けても撃つ勇気が持てません。それは安全な国、日本で育った人ならではの弱点。武器のない人たちはハンマーや斧、B.BガンなどでZQNと戦います。

 「なにこのシチュエーション、海外のゾンビ映画では観たことねえ!」

 日本の安全さは、ゾンビのシチュエーションに限りデメリット満載だと実感。そしてZQNたち、かなり奇妙な動きをします。謎の感染病の恐ろしさに息を飲んでしまうほど。

 ちなみに、海外でポルトガル第二の都市ポルトにて開催された「ファンタスポルト-第36回ポルト国際映画祭」にて「観客賞」「オリエンタルエキスプレス特別賞」のW受賞を果たした本作は、海外からも熱狂的な賞賛を浴びています。礼儀正しく勇気が持てない"象徴的な日本人"の秀雄に感情移入しながら、手に汗握るスリルを楽しんでください!

(文/トキエス)

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