親孝行したくてたまらなくなる『パパが遺した物語』
『パパが遺した物語』は、10月3日(土)より公開です!
「最近、親孝行していますか?」
そう聞かれて、「はい」と即答できる人は少ないのではないだろうか。実家から離れて仕事を頑張っている人は自分のことで精一杯で、親に直接会う時間も少ないだろう。だが、人間いつまでも元気ではない。年に1回帰省したとして、会えるのはあと数十回。突然の病気になってしまうかもしれない。そんな危機感を忘れてしまっている人にオススメしたいのが、10月3日に公開される『パパが遺した物語』。
過去のトラウマから、「愛とはなにか?」がわからなくなってしまったケイティ(アマンダ・セイフライド)は人と深い関係を築くことができなくなっていた。そんなケイティのもとに現れたのが、作家だった亡き父ジェイク(ラッセル・クロウ)の大ファンだという青年キャメロン。キャメロンと接していくうちに過去と向き合い新しい人生を踏み出そうと奮闘するのだが、「愛する人をまた失うのが怖い」という恐怖から大切な一歩を踏み出せずにいた。誰もが口ずさんでしまうカーペンターズの名曲「CLOSE TO YOU」にのせて、ケイティが父親から純粋な愛情を注がれていた過去が明かされていく。
脚本はブラッド・デッシュによるもので、2012年に、ハリウッドで映画化が実現していない優秀脚本を選定する賞「ブラックリスト」の10位に選ばれていた。その脚本を読んだラッセル・クロウは「あまりに感情を刺激されたよ」と号泣し、読み終わったあとすぐに電話をかけ、作品に参加する手続きを始めたのだとか。数々の名作に出演してきたラッセルが号泣するほど、純粋な父と娘のストーリーなのだ。
幸せな家族を突然襲った悲劇によって心身のダメージを受けた父ジェイクが、自分のなかなか回復しない病状と戦いながらも、娘との生活を必死で守ろうとするシーンを見れば、「もしかして自分の親も過去に自分のために戦ってくれたのかな?」と、親に思いを馳せたりするかもしれない。本作はそんな風に、前進を続ける我々息子・娘たちに、少しだけ立ち止まって後ろを振り返るきっかけを与えてくれるのだ。手遅れになる前に。
できるなら、親と一緒に劇場に足を運んでみて欲しい。そうすれば、お互いの大切さを改めて再確認することができるだろう。
(文/アヤカ)
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『パパが遺した物語』
10月3日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
脚本:ブラッド・デッシュ
出演:ラッセル・クロウ、アマンダ・セイフライドほか
配給:ギャガ
原題:『FATHERS&DAUGHTERS』
2015/アメリカ/116分
公式サイト:http://papa.gaga.ne.jp
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