『8月の家族たち』は全世界の長女が共感する、超絶"長女あるある"ムービー
映画『8月の家族たち』、現在全国公開中です!
全国の長女の皆さん、ぜひ観てください。
今年度アカデミー賞で主演、助演女優賞にノミネートされたメリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツをはじめ、ユアン・マクレガー、ベネディクト・カンバーバッチなど豪華キャストが揃った『8月の家族たち』は、2007年に上演された現代アメリカ演劇の金字塔を映画化した作品です。
8月の真夏日、父親が失踪したと知らされ、オクラホマの実家に集まった三姉妹と親戚たち。真面目なあまり暴走しがちな長女(ジュリア・ロバーツ)、ひとり地元に残った次女(ジュリアン・ニコルソン)、自由奔放な三女(ジュリエット・ルイス)。彼女たちを待ち構えるのは、癌を患いながらも気が強く毒舌家の"偉大なる母"(メリル・ストリープ)。生活も思惑もバラバラな家族たちが集まったとき、本音が爆発しありえない秘密が明るみに......というストーリー。
客席からは時たま笑い声も上がりつつ、全編を通して緊張感が漂うこの作品、長女って世界共通で辛いモンなんだと感じるのです。破裂寸前の家族を前にして、ただただ平和を願い正しい方向に導きたい、「私がしっかりしなくては」という空回り的な責任感。批判的で意地悪な母を制し、妹たちの生き方を正そうとするジュリア・ロバーツの見事に痛々しい振る舞いには、全国の長女から「あー、分かるわー」と共感の声が聞こえてくるようです。
特に、親戚たちが一堂に会し、長女が本領を発揮する食卓シーンは見どころ。誰かが口を開く度メリル・ストリープが毒舌を吐く一触即発の雰囲気は、家族間の調停役である長女の皆さんとしては気が気でないはず。母娘の取っ組み合いはお互いの思いが爆発する本作の名場面ですが、それもまた母親と長女の間だけに存在する濃密な絆ゆえ。まさに"愛憎"の言葉がふさわしい「長女あるある」ムービーなのでした。
余談ですが、とにかくキャストが豪華なので「ギャラはさぞかし...」と勝手に心配していたら、プロデューサー陣にハリウッドのフィクサー、ジョージ・クルーニー先生の名を発見して納得。『オーシャンズ11』では一流キャストを電話一本で招集した先生が、ついに英国の至宝ベネディクト・カンバーバッチまでを懐に! そんな意味でも楽しめる『8月の家族たち』、ぜひ映画館でご覧ください。
ちなみに長女界隈では、大ヒット中の『アナと雪の女王』もあるあるムービーとして話題です。
(文/永利彩乃)
『8月の家族たち』
TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中!
原題:『August: Osage County』
監督:ジョン・ウェルズ
原作・脚本:トレイシー・レッツ
出演:メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツ、ユアン・マクレガーほか
配給:アスミック・エース
2013/アメリカ/英語/121分
公式サイト:http://august.asmik-ace.co.jp/
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