破天荒なおじいちゃんにパワーをもらおう! 『リトル・ミス・サンシャイン』
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新しい環境にワクワクする新年度!でも4月も下旬、そろそろ疲れもみえ始める頃ではないでしょうか。そんな時期にぜひ見ていただきたいのが『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)です。
美少女コンテスト「リトル・ミス・サンシャイン」に出場することになったぽっちゃり娘のオリーヴ。彼女のために、家族が一丸となって、おんぼろのフォルクスワーゲンのミニバスに乗って、はるばるカリフォルニアまで800マイルの旅に出るというお話です。
でも家族はそれぞれに問題を抱えています。父リチャードは、勝ち負けにばかりこだわるモチベーション・スピーカー(成功論提唱者)で、妻のシェリルとは喧嘩ばかり。さらに、家族と同居するシェリルの兄・フランク(元大学の研究者で、ゲイ)は、恋人をライバルに奪われたことで自殺未遂をし、職も失います。また兄のドウェーンにも自殺傾向があり、数か月も口をきかない生活を送っています。そして極めつけは祖父。ヘロイン常習者です。
こんなワケありの家族が車一台で出かける長距離旅。その道中には、様々なアクシデントが起こります。なかでもやっぱり、ヘロイン中毒のおじいちゃんは強烈です。下品で毒舌ですごい存在感を放っていたのに、旅の途中でいきなり天に召されてしまったのですから。でも、おじいちゃんは、死んですらも家族に高い影響力を誇ります。
「負け犬がどういうものか知っているのか? 本当の負け犬は勝てないことを恐れ、努力もしないようなやつのことを言うんだ」
これは、旅の途中で予定していた本の出版がおじゃんになったことを知り、ショックを受けるリチャードに、おじいちゃん(存命時)が贈った言葉。この遺言ともいえる言葉に後押しされて、リチャードも家族も、様々な困難を乗り越えて、なんとかコンテスト出場にこぎつけるんです。
疲れた時、人生の大先輩の言葉ほど刺さるものはありません! ぜひ破天荒じいさんからパワーをもらってください。
(文/森山梓)