図を描けば会話の構造は理解できる! 図解の専門家による「会話の教科書」決定版

話のうまい人は頭のなかで「見えない図」を描いている
『話のうまい人は頭のなかで「見えない図」を描いている』
高野 雄一
KADOKAWA
1,980円(税込)
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 皆さんは「話がうまい人」と聞いて、どのような人を想像するでしょうか? それは「スラスラと言葉が出てくる人」ではなく、「会話から図が思い浮かぶ人」だと話すのは、図解の専門家の高野雄一さん。話がうまい人は、話す前に頭の中で全体の「構造」を描いているのだといいます。今回紹介する『話のうまい人は頭のなかで「見えない図」を描いている』は、そんなユニークな視点から会話の上達法について記した一冊です。

 頭のなかに見えない図を描くなんて、特殊能力の持ち主にしかできないのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、その基本的な考え方を知ってトレーニングを重ねれば、誰でも身につけられることが本書を読むとわかります。そこでメインに使われるのが、次の3つの図です。

 まず、「どちらがいいか」「何が違うのか」「優先順位」など「比べる話」をする際に効果的なのが「2軸図」です。たとえば、上司に「この資料のデザイン、直せそう?」と聞かれたとします。その場合は「質×スピード」の2軸図を描くと、「これは『質が低い×すぐに必要』だな」と判断し、「はい、ざっくりなら今すぐ直せます。しっかり直すなら明日までいただければできます」などと、簡単に即レスできるようになります。

 順番を整理したいような「並べる話」で使いたいのが「プロセス図」です。たとえば皆さんのなかで「言いたい意味が相手に伝わらないことがよくある」と悩んでいる人がいるなら、「前提」「材料」「結論」というプロセス図を頭のなかに描いてからお願いするという練習をしてみましょう。会話を点でとらえるのではなく、この3つを順番につなげて線で捉えることで、初めて全体の流れが見えるようになります。

 そして、相手と意見や認識を合わせたいときなど「重ねる話」で有効なのが、「ベン図」を描く方法。違いと共通点を描きながら考えるだけで、誤解やすれ違いが減って相手との関係性がずっとスムーズになります。難しい交渉をおこなうとき、双方向の会話をしたいとき、相手を説得して納得させたいときなどに、ベン図は非常に活躍することでしょう。

これらの図はすべて「頭のなかで描く」というのもポイント。といっても、いきなりは難しいので、最初は雑でもよいので紙に描くところから始めるのがよいそうです。特にテーマは決めずに「1日に1つ、必ず紙に図を描く」というトレーニングをおこなったところ、20日ほどで「話している途中で、頭のなかに勝手に図が出てくる」状態になった人もいるといいます。

 先ほど紹介した以外にも、実にさまざまな事例が載っている本書。頭のなかで「見えない図」が描けるようになれば、仕事の判断や相談ごと、日々のコミュニケーションなどで適切な言葉の返しができるようになり、これまで以上に会話が楽しくなるはず。ぜひ皆さんも本書を読んで、そんな感覚を実感してみてください。

[文・鷺ノ宮やよい]

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