名前を聞くだけでイラッとする...... 脳から"嫌いなあの人" を追い出す7つの方法
- 『あの人を、脳から消す技術』
- 菅原 道仁
- サンマーク出版
- 1,400円(税込)
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「もう顔も見たくない」「思い出すだけでムカムカする」「夜になると、あのときのやり取りが頭をぐるぐる回る......」、そんなふうに"嫌いなあの人"に、心を乱された経験はありませんか。
そうした経験がある人にぜひ読んでもらいたいのが、書籍『あの人を、脳から消す技術』(著:菅原道仁)です。同書は、現役脳神経外科医である著者が、忘れたいのに忘れられない「嫌な人間関係」のストレスに、脳科学の視点から向き合った一冊です。
そもそも"嫌いなあの人"を忘れられない状況は、決して珍しいものではなく、誰にでも起きる「脳の働き」のひとつ。脳には感情を司る「扁桃体」があり、ここが嫌いな相手を"危険人物"と認識してしまうのだそうです。そのため、脳に「その人のことは忘れていいよ」とサインを出して、警戒態勢を解く必要があります。
では、どうすれば「もう警戒しなくて大丈夫」と脳に伝えられるのでしょうか。同書では、誰でも今日から実践できる「7つの脳科学的テクニック」が紹介されています。今回はそのうちの3つを特別にご紹介します。
1つ目は「書き出しテクニック」。イライラした感情や出来事をノートに書いたり、スマホのメモに残したりすることで、目に見える形で外に出す方法です。
「頭の中でぐるぐる回っている考えに形を与えることで、脳がその情報を『処理済み』として認識する」(同書より)
同書によると、実践のコツは3つ。1つ目は「書く場所と時間を決める」、2つ目は「形式にとらわれない」、3つ目は「書いたあとの処理を決めておく」です。詳しい内容は同書を読んで確かめてほしいのですが、短時間でできる手軽な方法なのでおすすめです。
2つ目は「リフレーミング・テクニック」。「あの人は自分を否定してきた」ではなく、「自分の意見に同意しなかっただけ」と、物事の「枠組み(フレーム)」を捉え直す方法です。
「これは単なる気休めではなく、実際に脳の反応を変える大きな効果があります(中略)同じ状況でも、それを『脅威』と捉えるか『機会』と捉えるかで、扁桃体の活性化の度合いが異なってくることがわかっています」(同書より)
最後の3つ目は「タイムリミット・テクニック」。「今から15分間、嫌いな人のことを思う存分考えてみよう」と決める方法です。重要なのは、「考えてはいけない」と自分を抑制しないこと。
「『ずっと考え続ける』のではなく、『決められた時間だけ思い出す』ほうが、脳の活動を整理し、不安や恐怖の軽減に効果的であることがわかりました」(同書より)
こちらも実践するのに3つのコツがあり、1つ目は「考える『時間』を決める」、2つ目は「考える『場所』を決める」、3つ目は「切り替えの『儀式』を決める」です。詳しい内容はぜひ同書を読んでみてください。
同書は他にも、「あの人が『いない脳』を作る」、「睡眠は『あの人』を消すチャンス」、「イライラ知らずになる5つの脳トレ」など、「読んでよかった」と感じられる知識が惜しみなく紹介されています。
「なぜあの人にこんなに心が乱されるんだろう」「今の幸せまで壊されそうでツラい」「もう終わったはずなのに、まだ囚われている自分が悔しい」――そんな思いが心に少しでもあるのなら、同書を手に取ってみてください。"嫌いなあの人"に、あなたの貴重な時間を奪われないようにする手助けになるはずです。
[文・春夏冬つかさ]