アクションとしては弱くB級映画としてはまとまり過ぎている『ヘル・ディセント』

- 『ヘル・ディセント』
- ニール・マーシャル,シャーロット・カーク,ニール・マーシャル,シャーロット・カーク,ジョナサン・ハワード,ジェイミー・バンバー,レオン・オッケンデン

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B級映画なのに突き抜けて酷い訳でもなく、さりとて独特な面白さがある訳でもなく、何とも評価しづらい作品だった。視聴した次の瞬間には内容を忘れそうになるなほど印象が弱い。B級映画としてはストーリーが王道で視聴に堪えないレベルというほどではなく、しかしB級映画のため演出をはじめ諸々に微妙な粗が没入感を阻害している。ちゃんとした映画としてもB級映画としても楽しめず、せいぜい矛盾を生じさせない程度の粗を突くしかない。
作戦終了後、帰路についていた英国軍のシンクレア空軍大尉はアフガニスタン上空でゲリラの襲撃に遭い、不時着することに。謎の施設に逃げ込むと、そこは放棄された旧ソ連の研究所。シンクレアを追ってきたゲリラが研究所に侵入し、銃撃の最中にタンクを撃ち抜くと謎の怪物たちが暴れ出し、ゲリラたちを皆殺しにする。その隙に研究所から逃げ出した彼女はパトロール中の米軍に保護されるが、彼らは自分たちを「掃きだめ部隊」と呼ぶほど問題児揃い。彼女は怪物を撮影したカメラを少佐に渡すが一蹴される。しかし、少佐は情報部へ通報し、部隊の兵士たちは彼女の話を信用。部隊にいた捕虜も怪物の存在を知っているようだった。彼女が保護された日の夜、基地に黒い影が忍び寄り――という内容。
物語に著しい破綻はない。途中、米軍の兵士たちは説明なしに少年漫画のような熱血漢になるが、最初からそういう熱を秘めた人間だったと思えば違和感をさして覚えない。ただ、怪物の設定が秒で崩れる描写がしばしば。
基地を襲撃した怪物たちを迎え撃つ兵士たち。しかし怪物たちには銃が効かず、兵士たちを蹂躙していく。少佐がいる指令室にも怪物が現れるが、壁に飾っていたバットでフルスイング。哀れな怪物は頭部を砕かれて死んでしまう。銃より鈍器の方が強いとは、異世界か何かだろうか。主人公のシンクレア大尉も斧で怪物を殺害している。
怪物の襲撃から生き残り朝を迎えると、怪物たちの死体は消えていた。調べると旧ソ連軍が研究室で異星人のDNAを組み込んだ兵士だと判明。怪物を全滅させるために研究室へと向かうが、情報部は研究室をミサイル攻撃し、怪物の存在とそれを知った部隊ごともみ消すことを決定する。
シンクレア大尉と部隊が怪物やゲリラと戦っている中、研究室にミサイルが撃ち込まれる。戦闘の中で仲間を失いながらも危機一髪で難を逃れたシンクレアたちは、怪物を捕らえたカメラを手に荒野へと去って行きエンドロールへ。
手に汗は握らず、荒唐無稽さも控えめで、同ジャンルのハリウッド大作を見た方がエンタメとしてはおそらく有意義。面白くないという訳ではないが、B級映画として視聴するには荒唐無稽さが足りず、アクション映画として見るには予算や規模が足りず。低予算の中よくやったとは言えるが、面白いかはまた別の話だった。
(文/畑中雄也)

