イカれた陰謀論がひたすら続く82分『アンビリーバブル レプティリアンVSグレイ』

- 『アンビリーバブル レプティリアンVSグレイ(字幕版)』
- エリン・ベリー,キャンディス・チャウハウ,デヴィッド・プラスコースカス,ポーラ・ブランカーティ,リチャード・フィッツパトリック,マイケル・シーター,アナンド・ラジャラム,ポーリーノ・ヌネス

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フェイクニュースやら陰謀論やらが日本でも洒落ではなく現実に一定の影響力を持つようになってきた昨今、本作を話のネタに視聴した。グレイは90年代に『X-ファイル』などのブームで名前を知っているが、レプティリアンとかマジェスティック12とか、今日の陰謀論を押さえていないと知らない単語が怒涛の勢いで襲い掛かってくる。単語を一つひとつ検索すると、一応欧米の陰謀論界隈では当たり前に存在しているものとして認知されている模様。その手の基礎知識がないと話が半分も分からないのではないかと最後まで見届けたが、内容がさっぱり理解できないのは受け手の知識の問題なのか作品の問題なのか判別つきかねる。ただ、作中にレプティリアンもグレイも出てこないので後者なのではないかと思っている。
本作の主人公ピッパは都市伝説やフェイクニュースなどの嘘を暴く動画サイトを運営する女性。ある日、マジェスティック12の一員だと名乗るアンダーソンという老人からコンタクトを受ける。アンダーソンはピッパに彼をスカウトしたマジェスティック12トップのスペクターという人物が写るモノクロの古い写真を渡して姿を消す。その日からピッパの周辺で異変が起こり――という内容。ちなみにマジェスティック12とは何か調べたら宇宙人との接触や交渉を行ってきた米国政府内の委員会を指すそうで、世界を操る組織らしい。冒頭でこんな塩梅に日本では馴染みのない、また、馴染みたくもない単語がポンポン飛び出してくる。
ピッパはアンダーソンが語った「マジェスティック12はジャネット社を隠れ蓑にし、グレイとレプティリアンは対立関係にあり、米国はグレイと、レプティリアンは旧ソ連と協力関係を結び、冷戦は宇宙人の代理戦争だった」という話を調べることに。当然、調べて調べられるものでもないところにアンダーソンからジャネット社のロゴ付きの手紙が届く。
アンダーソンに指定された森の中のコテージに向かうと、彼は手紙を出したことも何も覚えていない様子。それでもスペクターについて問われるとジャネット社の研修用フィルムを視聴することに。その中では旧ソ連が宇宙船の墜落事故を機にレプティリアンと協力関係を結び、米国はロズウェルでグレイたちと接触したこと、アンダーソンが宇宙飛行士となり宇宙でレプティリアンたちの偵察を行っていたことなどが描かれていた。
こんな感じで正気を疑う内容が続き、ピッパは妄想だと結論付けて帰宅しようと車に乗り込む。自宅で目覚めると大統領を全く違う人間が務めていることを知り、歴史が改変されていることを知る。その後もよく分からない歴史改変と陰謀論の話が続き、最後は空からの光に包まれ意識を失う。
気が付くと自宅にいたピッパは共同運営者から合法ドラッグの効用を調査するため彼女に薬を盛ったと聞かされる。すべては夢だと安堵したものの、テレビを付けるとブッシュ大統領が暗殺された世界線になっていることを知りエンドロールへ。
82分間、イカれた陰謀論が延々と続き好きな人は楽しめるのかも知れないが、その手の代物に縁もゆかりもない人間には拷問と変わらず。楽しむための基礎知識が足りなすぎるため本作について評価できないが、オカルト好き以外は鑑賞不可というのはエンタメとしてどうなのか?と思わなくもない。
(文/畑中雄也)

