70歳以降も働ける自信はある? 元戦略コンサルの医師が教える「心身を壊さない働き方」

一生健康に働くための心とカラダの守り方
『一生健康に働くための心とカラダの守り方』
吉田英司
かんき出版
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 老後の年金制度への信頼が薄れている現在、「生涯働く」ことについて注目が集まっています。私自身も最近、家計の見直しをファイナンシャルプランナーにお願いしたところ、「70歳以降も働く気はありますか?」と聞かれ、返答に窮してしまいました。老後も働く意思はあったとしても、「もし病気になっても働き口はあるのか」「この先何十年も心身ともに健康でいられるのか」と不安になるのは自然なことです。自信を持って「もちろん働きます」と答えられる人のほうが少ないのではないでしょうか。

 そこで今回紹介するのは『一生健康に働くための心とカラダの守り方』という書籍です。本書は、健康に働くうえで「避けられるはずの病気」「対応できたはずの心の病気」について、医学的根拠やエピソードも交えて紹介し、それぞれの解決策を提示する一冊です。

 第1章でフォーカスするのは「身体の健康管理」です。頭痛や肩こり、疲労感、更年期などの諸症状から、致命的な病気となる脳梗塞や脳出血に至るまで、現代人に多い身体の不調の背景と対処法について解説します。健康診断結果の見方について記されている点も参考になります。

 第2章で取り上げるのは、メンタルヘルス不調の実態です。「職場のうつ」の多くは職場での「適応障害」と関連しており、それを予防するには日常の小さな気づきや行動が重要になるといいます。

 第3章では万が一「休職」になった際の過ごし方や復職までのプロセスについて、第4章では不調を感じたときの相談方法や相談先についてがテーマとなっています。

 著者の吉田英司氏は、元戦略コンサルタントであり、産業医として15年間でビジネスパーソン1万人の健康相談に携わってきた人物です。医療とビジネスの両方の分野を経験してきたからこそ可能な、「働くこと」と「心と身体の健康」の両立を重視した実践的なアプローチを提案しています。

 日本では、生涯でがんに罹患する確率はおおよそ2人に1人とされており、精神疾患についても一定割合の人が生涯のうちに経験すると報告されています。平均寿命が延びた現代において、「どれだけ長い間、大きく体調を崩すことなく働けるか」は重要な課題となっています。

 本書は、そのための具体的な方法を体系的にまとめた一冊です。今日から実践できる健康管理の方法を知ることで、将来への漠然とした不安を軽減する一助となるでしょう。

[文・鷺ノ宮やよい]

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