英語が苦手でも大丈夫? 56人の海外ノマドに聞いた仕事・収入・英語力の実情

海外ノマド入門 ここではない場所で生きていく
『海外ノマド入門 ここではない場所で生きていく』
ルイス前田
扶桑社
1,760円(税込)
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 地球上のさまざまな場所を自由に旅しながら生きていきたい――そう夢想した経験がある人は多いのではないだろうか。インターネットの普及によって、その夢は実現不可能なものではなくなった。近年では、場所にとらわれず働く「ノマドワーカー」が登場し、いまも世界各地で活動している。

 不可能ではなくなったとはいえ、「どうやったら海外ノマドになれるのか」もわからないという人は多いはず。そこでおすすめしたい1冊が『海外ノマド入門 ここではない場所で生きていく』(扶桑社)だ。

 著者は、世界81カ国を旅しながら仕事をしているノマドワーカーのルイス前田氏。彼を中心に、その他56人のノマドワーカーが海外ノマドに関するさまざまな質問に答えてくれる。

 これから海外ノマドを目指す人がとくに知りたいのは、すでに海外ノマドとして生きている人々がどのような仕事をしていて、いかにして継続的に仕事を得ているかということだろう。56人の海外ノマドの現在の職業を見てみると、ライターや動画編集者といったネット上での仕事が容易な職業から、ビール職人や茶道家、書店員といった「どこでもできるとは言い難い職業」の人もいるのが面白い。

「海外ノマドの職業は、王道のデジタルワークだけではありません。一見すると"場所にとらわれる職業"に上手にリモートで対応したり、ノマド先で実施することで成立させています」(本書より)

 続いて仕事の獲得方法について。著者は、ノマドワーカーとして海外にいながら未経験の業界で仕事を見つける具体的な営業手法を複数紹介している。

1、友人や知人にメッセージを送る。
2、勉強会やコミュニティに参加して貢献する。
3、クラウドソーシングを使う。
4、求人サイトから探して交渉する。
5、退職記事で周りの人に伝える。
6、Facebookで決裁者に覚えてもらう。
7、X(Twitter)の仕事募集に応募する。

 ポイントは、「友人の友人は仕事を持っている」「仕事は人が集まるところに集まる」「仕事をお願いしたい時に思い出してもらえるか」を意識することだ。

「最初は『組織に頼らずに仕事を見つけられるのか?』とドキドキしますが、僕はこれまで仕事が見つからなくてノマドを辞めた人を見たことがありません」(本書より)

 では仕事は見つけられるとして、海外に出るにあたり「英語力はどのくらい必要なのか」も気になるところ。56人のノマドワーカーたちに英語力についてアンケートを取ったところ、43%が「気軽に英語で会話ができる」と回答。40%が「旅行先での英会話は何とかなる」と答えた。「英語は苦手」と答えた人は5%にとどまっており、やはりある程度は英語ができたほうが安心ではあるようだ。

 しかし、英語ができなければ海外ノマドにはなれないというわけではなく、ほとんどのノマドワーカーは英語力を特別重要視していない。英語はあくまでコミュニケーションツールの1つであり、うまく話せなくても「伝えたい」という思いがあれば意思の疎通は可能。また現代には翻訳アプリという便利なツールもある。もちろん英語が母国語でない国では、英語よりも現地の言葉のほうが大切になる。著者も「英語が話せなくても何とかなる」と結論づけている。

「南米で出会ったノマドは外国人と常に日本語で会話していました。(中略)『大体は通じるから、困ってない』とのことです。話せなかったら、目を合わせて微笑む。単語で伝える。上手な人に頼るなど、何とかなるのがノマドの語学力です」(本書より)

 海外で生活していく以上、金銭面についてもチェックしておきたい。「海外ノマドとしての収入はどれくらいですか?」という問いに、28%のノマドワーカーが300万円未満と回答しており、300万円台が11%、400万円台が16%だった。注目すべきは、1,000万円以上が16%と意外に多いことだろう。

 「海外ノマドを始めてから何カ月で黒字になりましたか?」という問いには、半分以上の人が3カ月以内に黒字を達成したと回答。著者いわく、日々の時間を十分に使えれば黒字は遠くないとのことだ。

 とはいえ、必ずしも全てのチャレンジャーが海外ノマドになってすぐに生活を安定させられるわけではない。著者は、すぐに稼げなくても不安にならないよう、海外ノマドを本格的にスタートさせる前に6カ月以上の生活費を貯金しておくことを勧めている。生活する国によって物価は変わるので、こだわりがなければ最初は生活費が安い国に行くのがよいだろう。月5万円で生活できる国なら、30万円は持っておきたい。

 本書にはほかにも、お金の管理やモチベーション維持のコツ、海外ノマドの失敗談など興味深いエピソードが盛りだくさん。海外ノマドを夢見る人が抱く疑問のほとんどが、この1冊で解消されるはずだ。本気で海外ノマドになりたい人はもちろん、海外ノマドに憧れを抱いている人も、ぜひ本書を手に取ってみてほしい。

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