もやもやレビュー

召喚していない悪霊が協力プレイで主人公たちを殺害『リアルゲーム 悪霊召喚』

リアルゲーム 悪霊召喚(字幕版)
『リアルゲーム 悪霊召喚(字幕版)』
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 キャッチコピーに「不条理ホラー・スリラー!」とあり、地雷のにおいをぷんぷんに感じたものの、そこまで酷くはないのではないか?なんて軽いノリで視聴したら不条理どころかエンディングまで一貫して意味が分からず困惑して終わった。不条理というよりも生煮えの企画を無理やり映画化したら収集つかなくなったのだろうなという感想しか出てこない。あと、ジャケットの人物(悪霊?)は一切出て来ず、騙された感がすごい。

 面識のない男女が仕事で集まったらなぜか意識を失い知らない場所に閉じ込められて酷い目に遭うという話なので、あらすじも何もないのだが、作品紹介などに書かれている話をまとめると、フランク、ロージー、デイジー、エディの4人は初対面でアプリのゲーム開発の企画会議と称してフランクの家で酒を飲みながらダラダラしていると同時に意識を失ってしまう。気が付くと、どこかの地下室に手足を縛られた状態で監禁されていてテーブルの酒瓶が突如回り始める。酒瓶が止まった先の人間は何かに憑りつかれてほかの人間に危害を加え始めた。それは彼らが会議で考案したゲームのアイデアと同じもので――という内容。

 何かに憑りつかれてと言ってもタイトルが「悪霊召喚」なのだから悪霊なのだろうと察しはつくが、視聴を続けているとデイジーがエディに初めてのデートの記憶を訊ね、彼が答える前にビンタ。今度はフランクがロージーの胸をまさぐり始めるも憑りつかれた当人たちにはその記憶はなし。

 B級映画のお約束通り、ノー推理で悪霊の仕業だと気付く4人。そこから自分たちが犯した罪を告白しないと問題が解決しないと確信する。その認識に至るまでに必要なやり取りを少しでもいいから導入してくれと思わぬでもない。

 そこから各人の葛藤のような描写が入るものの特に感情移入できるはずもないやり取りを経て、デイジーとフランクはかつて見殺しにした相手、ロージーは自分が振ったことで自殺した元カレ、エディはサーフィンを教える代わりに肉体関係を強要した女性が自分たちを恨んでいる悪霊だと判明する。ロージー以外は自業自得で何ら同情の余地がない。

 4人がそれぞれの罪を告白した後、叔母が霊能力者だというデイジーがお互い手を繋ぎ神聖な輪を作ろうと提案。
神聖な輪って何?と思った次の瞬間、神聖な輪とやらが何ら効果を発揮しないままエディはフランクを撲殺、デイジーはエディを窒息死させ、ロージーはデイジーを絞殺。最後にロージーは刃物で自殺してエンドロールへ。

 何で初対面の人間に恨みのある悪霊が協力しているのか?等々疑問は尽きないが一切の説明はなし。そもそもジャケットが作品と無関係という羊頭狗肉のような作品に何かを求める方が間違っているのかも知れないが、それでもエンタメである以上もっと親切な作りにしてもよかったのではないかと思わぬでもない。

(文/畑中雄也)

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