管理教育が終わっても、若者の反逆の仕方が変わっただけ。『ぼくらの七日間戦争』
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- 菅原比呂志,宮沢りえ,菊池健一郎,大沢健
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先日、音楽YouTuberのみのさんが、音楽はアニメの下請けになったのかという動画を公開し、軽く炎上していた。どういうことかというと、アニメのタイアップに音楽が起用されることがあまりにも多くなりすぎたが故に、みんながみんな、歌詞に原作の要素を盛り込むことを強要しすぎるため、アーティストに負担がかかっているのではないかという趣旨だった。
昔は、単に、音楽を付け足しただけで、内容に踏み込むタイアップは少なかったように思うが、これから紹介する映画(アニメではないが)「ぼくらの七日間戦争」の主題歌、TM NETWORKの「SEVEN DAYS WAR」は映画の内容に合わせた、歌詞もメロディも映画にマッチしたとても幸福なタイアップの例だったと思う。こういうことをさらっとできる小室哲哉はやっぱりすごかったんだと今更ながら思う。
映画のほうは88年公開。当時、学校の管理教育が問題になっていて、それに反旗を翻した中学生が廃墟に立て籠り、先生や機動隊相手に奮闘するという物語だ。この設定自体は、現代においてはまったくリアリティがない。こういう時代があったことが今やファンタジー。今は先生が病む時代だ。隔世の感がある。しかし、若者が変わったとは思えない。若者の反逆の仕方が変わっただけだ。この時代は敵が見えていた。今は同調圧力という見えない敵がいる。そのなかで戦うには、こもるしかないのだろう。
そんななか、時代や社会が変わっても、宮沢りえの美しさ、みずみずしさだけが冷凍保存されている。宮沢りえは、この映画が映画初主演だ。青春の象徴として、ある種の人々に彼女は残り続けるだろう。
(文/神田桂一)

