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デート文化に革命を起こした一人の女性の物語『スワイプ マッチングの法則』

『スワイプ:マッチングの法則』 ディズニープラスのスターで独占配信中

『シンデレラ』などで知られる女優リリー・ジェームズが主演を務める新作映画『スワイプ マッチングの法則』がアカデミー賞の前哨戦とも言われているトロント国際映画祭にてワールドプレミア上映されました。その後、9月19日からディズニープラスにて配信されている本作は、マッチングアプリ「Bumble(バンブル)」の創業者であるホイットニー・ウルフ・ハードの実話に着想を得たストーリー。男性優位な業界で逆境に立ち向かい、新たな挑戦へと踏み出す女性の姿を描いた、観る人に勇気を与えてくれる作品です。

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主人公ホイットニー(リリー・ジェームズ)は、大学卒業後に社会貢献をテーマとした起業を目指しますが、資金調達に苦戦。そんな中で出会った起業家の誘いを受け、マッチングアプリ「Tinder」のプロジェクトに関わることになります。独自の宣伝戦略でTinderを若者の間に広めることに成功したものの、アプリ利用者による女性への性的嫌がらせや安全性の問題が浮上。さらに、職場での差別や元恋人からのハラスメントに苦しみ、最終的に会社を去ることに。そんな彼女は、女性ユーザー視点のマッチングアプリの開発に新たに挑戦します。

本作では、ホイットニーが性差別や男性優位の社内での論争から乗り越えようとする姿を中心に描かれています。彼女が逆境を乗り越え新しいアイディアを形にする姿に、感動させられます。本作では、ホイットニーへの資金提供者として、Badooというアプリの創設者であるアンドレイ・アンドレーエフの姿も描かれています。アンドレイを演じたのは、『美女と野獣』などのダン・スティーブンス。アンドレイはロシア生まれということもあり、英語にかなり訛りがあるのですが、「ダンのアクセントは誇張しすぎ」という声がネット上に多く見受けられました。

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女性が逆境に打ち勝つというサクセスストーリーの本作ですが、そのほか、起業家としての孤立や、職場での性差別、裏切りなどがリアルに描かれており、成功の裏にはこんなにも困難があるのだということを改めて実感させられた一本でした。女性起業家は今なお少数派ですが、逆境を乗り越えて夢を実現するホイットニーの姿は、起業を志す女性だけでなく男性にとっても参考になると思います。

(文/トキエス)

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『スワイプ:マッチングの法則』
ディズニープラスのスターで独占配信中
© 2025 20th Century Studios

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