唯一無二の人気作『キラークラウン』

今年もいよいよハロウィーンシーズンがやってきました。筆者が滞在するここカナダ・トロントでは、期間限定のハロウィングッズショップが毎年オープンします。コスプレに力を入れる人やホラー映画ファンが多く訪れるこのショップでは、『ハロウィン』や『スクリーム』と並び、1988年公開の映画『キラークラウン』のグッズが根強い人気を誇っています。昨年には非対称対戦ゲームが発売され、日本でも再び注目を集めました。そんな本作、カルト的人気を誇る理由とはいったい何なのでしょうか。

舞台はアメリカの小さな田舎町。ある夜、流れ星のような光を目撃した若者マイクとデビーは、その行方を追って森へと足を踏み入れます。そこで彼らが目にしたのは巨大なサーカステント。そこに現れたのはピエロ姿の宇宙人たちでした。彼らは綿菓子の中に人間を閉じ込め、恐ろしい方法で命を奪っていたのです。警察に訴えるも相手にされず、やがて被害は街全体に広がり、大混乱に陥っていきます。

当時の特撮技術を駆使し、首が吹き飛ぶ、人体が骨になるまで溶けるといったグロテスクな描写を盛り込みつつも、ポップコーン銃や風船、パイ投げ、影絵など奇抜でユニークな手法で人間たちを襲っていきます。かなり奇想天外で、おもわずくすっと笑ってしまうシーンも多々あり、ユニークさは絶大。こうした独創的な表現が評価され、現在でもRotten Tomatoesで批評家スコア79％という高評価を維持。日本では配信で見られる機会は少ないものの、過去にBlu-rayやDVDが発売されたこともあります。ホラーとコメディが融合した唯一無二の一本。見つけたらぜひチェックしてみてください。

（文／トキエス）