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マシュー・マコノヒーの出世作『評決のとき』

評決のとき
『評決のとき』
ジョエル・シューマカー,マシュー・マコノヒー,サンドラ・ブロック,サミュエル・L・ジャクソン,ケヴィン・スペイシー
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 『10日間で男を上手にフル方法』などのラブコメや『インターステラー』など話題作に出演している名俳優のマシュー・マコノヒー。彼が無名の俳優だった頃に主役の座を射止めた法廷ドラマ『評決のとき』をご存知でしょうか。ジョン・グリシャムの同名小説を原作としたこの法廷ドラマは、マシューほか、サンドラ・ブロックやサミュエル・L・ジャクソン、ケヴィン・スペイシーなどハリウッドで長年活躍する名優たちが集結しており、サミュエルはゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされました。

 ミシシッピ州で、10歳の黒人少女が2人の白人青年に強姦され、暴行される酷い事件が発生。少女は一命を取り留めたものの、子供が産めない体になってしまいます。彼女の父であるカール・リー・ヘイリーは、裁判所に連行された2人の白人青年をライフルで射殺。逮捕されたカールは、以前兄の弁護を担当した白人の弁護士ジェイク・タイラー・ブリガンスに弁護を依頼します。ジェイクは「正義」のためにこの弁護を担当しますが、その一方でこの事件は注目され、苦境にある彼の弁護士事務所を救うチャンスでもありました。そんな中、殺害された白人青年の弟が白人至上主義団体KKKと連絡を取り......。

 人種差別がテーマとあって、KKKの過激な活動も描かれている本作。家を燃やしたり、暴行を加えたりなど、彼らの過激さは止まりません。「正義」のために行動に移したジェイクでしたが、その結果、家族や同僚などが危険な目にあってしまいます。果たして裁判における"勝ち負け"とはなんなのか。そういったことも考えさせられる一本でした。ちなみに原作の続編小説である「A Time for Mercy」のHBOでシリーズ化されるというニュースが数年前にあり、マシュー・マコノヒーが出演するとも報じられていました。現在もまだ開発中(?)のようですが、約30年前と同じ役をマシューが演じるとなると、かなり興味深い作品になりそうです。

(文/トキエス)

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