大人になったのび太くんから学ぶ『STAND BY MEドラえもん2』
- 『STAND BY ME ドラえもん 2』
- 八木竜一,山崎 貴,山崎 貴
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2020年11月に公開された本作は、ドラえもん50周年記念作品として製作されました。
8月7日のび太の誕生日に、ママに0点の答案が見つかって叱られたのび太は、「僕はこの家の本当の子どもじゃないんだ」と落ち込みます。まだまだある0点の答案用紙の隠し場所を探していると、亡きおばあちゃんがよく直してくれたぬいぐるみを発見します。のび太はおばあちゃんは優しかったなあと懐かしくなり、ドラえもんと共におばあちゃんが生きていた時代へタイムマシンで向かいます。
おばあちゃんは突然やってきた少年をのび太だと信じてくれて、「あんたのお嫁さんを一目見たくなっちゃった」と言います。
おばあちゃんと、しずかちゃんとの結婚式を見せる約束をしたのび太でしたが、タイムテレビで確認すると、式当日に大人になったのび太はどこかへ逃げ出してしまっていました。のび太とドラえもんは、大人になったのび太を結婚式へ参加させるために未来へ向かうのでした。
大人のび太が逃げ出した理由は、「僕じゃしずかちゃんを幸せにできない」と自信をなくしたからでした。タイムマシンを見つけたことをいいことに、自分の子供の頃や生まれた日の様子を垣間見た大人のび太。そこには子供の頃から泣き虫で弱虫だったのび太をいつも優しく見守ってくれたおばあちゃんの存在や、「のび太」の命名の由来を知り両親からの深い愛情がありました。こうして家族からの愛情を再認識し、自分は「そのままでいい」のだと気づきます。
筆者も祖父母や家族からの愛情を改めて思い出し、のび太と同じく今後自信をなくした時に自己肯定感を取り戻す過程としてぜひ取り入れたいと思いました。
また、無償の愛で受け入れてくれる家族はある種当然かもしれませんが(とは言え、うまくいかない時期や環境もあると思いますが...)、ジャイアンスネ夫しずかちゃんのように、「のび太ってやつは~」と、不甲斐ない自分をありのまま受け入れてくれる友達ってすごく貴重な存在だし、大事にすべき存在だと強く思いました。
それにしても、式当日にいなくなっちゃったり、大事な日にまで過去へタイムスリップしてじゃないと自信を取り戻せないって、大人のび太...大丈夫か⁉とも思ってしまいました。のび太らしさは残しつつも、周りへの気遣いも考えられて、かつ、自己肯定感も自分で高められるように頑張ってほしいとつい思わさざるをえませんでした、悪しからず。
(文/森山梓)