さあ、笑える兄弟ゲンカの始まりだ！『俺たちステップ・ブラザーズ』

『俺たちニュースキャスター』や『奥さまは魔女』などで知られるアダム・マッケイがメガホンをとった『俺たちステップ・ブラザーズ』。まるで"瓜二つ"のウィル・フェレルとジョン・C・ライリーのジャケットが印象的な本作は、賢い映画でも奥深い映画でもありません。単にクスッと笑わせてくれる軽い一本ですが、絶妙な笑いが詰め込まれており、もう一度見たくなる作品でもありました。

　親のすねをかじって生きてきた39歳のブレナン（ウィル・フェレル）。彼の母親が再婚して義父となるロバートと同居することになりますが、ロバートにも40歳で失業中の息子デール（ジョン・C・ライリー）がいました。まるでブレナンの鏡のような存在であるデール。突然できた兄に「ドラムに触るな」「食べ物に名前を書かないとすぐに捨てる」といった子供っぽいルールを押し付けられたブレナンは、早速ロバートと兄弟ゲンカ。しかしあることがきっかけで2人は一致団結し......。

　ウィルとジョンの徹底した子供っぽい演技がたまらなく笑える本作。くだらない笑いが詰め込まれている本作は、コメディ映画ならではのやや無理やりな設定がマイナスポイントではありますが、それも気にならないほど2人のぶっ飛んだ演技に惹き込まれる一本。彼らの全てが楽しく見えるのは、子供じみた喜びに満ち溢れている存在だから。"大人の体に閉じ込められた子ども"を表現することに長けている俳優を見事キャスティングしたなと感じました。「自分たちのやることは全て最高」と疑わない2人のやり取りに「バカだなあ」と笑わされっぱなしでした。笑いたい日におすすめ。

（文／トキエス）