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酷く残酷な実話『クリーブランド監禁事件 少女たちの悲鳴』

クリーブランド監禁事件 少女たちの悲鳴 [DVD]
『クリーブランド監禁事件 少女たちの悲鳴 [DVD]』
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 主人公が残虐行為とレイプに10年以上耐え続ける......そんな闇落ちしそうなストーリーの『クリーブランド監禁事件 少女たちの悲鳴』は、なんと実話。21歳のシングルマザーのミシェルや他の被害者たちが、苦境を乗り越えて解放されるまでの11年を70分に圧縮させた一本です。

 2002年、養護施設から幼い息子の親権を取り戻そうとしていたシングルマザーのミシェル。彼女はソーシャルワーカーとの面談に遅れそうになり困っていた時に、同級生の父親であるカストロに声をかけられます。焦っていたミシェルは「車で送ってあげるよ」というカストロの提案に同意。車に乗ると、息子に子犬をタダであげるから、少しだけ家に寄ってもいいか聞かれ、ミシェルは動揺するもカストロの家へと向かうことに。しかし家に入ると、手錠をかけられ、暴力を振るわれ、さらにはワイヤーで吊るされてしまいます。

 こうして始まった監禁生活。カストロの友人や家族が家を訪れた際、ミシェルは音を立てて助けを求めるも、失敗しては暴力を振るわれてしまう日々が続きます。そしてカストロはさらに2人の少女を誘拐。ミシェルは少女たちを励ましながらも、諦めずに耐え続けます。

 酷く残酷で見るに耐えないシーンが続く本作。実際の事件を調べて現場の写真などを見ると、映画でかなり忠実に再現されているのがわかります。顔見知りだからといって、車に乗ってはいけない......。そういう"当たり前なこと"を改めて注意喚起してくれた一本でした。ちなみにミシェルは自身の経験を本にも綴っていますので、この映画を見て事件についてもっと深掘りしたい方はぜひ手に取ってみてください。

(文/トキエス)

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