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この夏おすすめ!夢に向かって背中を押してくれる『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』

『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』 8月9日(金)テアトル新宿・グランドシネマサンシャイン 池袋ほかにて公開

暑苦しい夏にこそ観たくなる青春映画。
学生の頃、こんな青春したかった。そういった作品は数多くあるが、本作はそれだけではなかった。大人がみても楽しめる社会性も兼ね備えている。

文学少女の所結衣(藤吉夏鈴)は憧れの作家"緑町このは"が在籍するといわれている名門・私立櫻葉学園高校に入学。しかし、文芸コンクールを連覇するエリート集団の文芸部には入ることができなかった。
落ち込む結衣に文芸部の部長・西園寺茉莉(久間田琳加)が、正体不明の作家"このは"を見つけ出せば入部を許可するという条件を提示。結衣は、"このは"のインタビュー実績がある学園非公認の新聞部に潜入し、部長のかさね(髙石あかり)と副部長の春菜(中井友望)のもとで新米記者"トロッ子"として活動することになる。
教師たちの不祥事に切り込む新聞部を快く思わない学園の理事長・沼原(髙嶋政宏)に理不尽な圧力をかけられ、新聞部は窮地に立たされてしまう。しかし、結衣は一念発起し元文芸部の松山秋(綱啓永)らと協力して理事長、そして学園の闇に切り込んでいくのだった。

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題名にもなっている『トロッコ』とは新聞業界で使われている言葉で、「新人記者」のことを「まだ記者(汽車)として一人前でない⇒トロッコ」といった冷やかしの意味合いがあるそうだ。現在ではほとんど使われていない言葉でもあるそう。

役者1人1人の熱量のある演技と、新聞部の部員が1つの事件を解決に導く探偵やはたまた警察官、ジャーナリストのように何役もの役割を担いながら黒幕と対峙していく。それにより、学園物語にサスペンス要素を滲ませ、正体不明のこのはを捜すミステリー要素もチラついてきて、ストーリーに飽きる暇が全くない。また、しっかりと1つ1つの伏線も回収されるので鑑賞後もスッキリと晴々した気持ちになれる。

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自分も夢をみつけよう。夢に向かって頑張ろう。そんなふうに背中を押してくれるパワーのある作品だった。長い夏休み、今後の自分の進路や行末を考える時に見てほしい一本だ。

(文/杉本結)

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『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
8月9日(金)テアトル新宿・グランドシネマサンシャイン 池袋ほかにて公開

監督:小林啓一
出演:藤吉夏鈴(櫻坂46)、髙石あかり、久間田琳加、中井友望、網啓永 ほか
配給:東映ビデオ、SPOTTED PRODUCTIONS

2024/日本映画/98分
公式サイト:https://torokko-movie.jp
予告編:https://youtu.be/PwRjV1FjEzM
©2024「新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!」製作委員会

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