もやもやレビュー

悪ノリとアクションだけを楽しむ大人の特撮『AVN/エイリアンVSニンジャ』

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 視聴する前から「これで素晴らしい作品だったら世も末だよなぁ」と思わせる『〇〇VS□□』というタイトル。大体は約束された拷問と化すため正気なら触れないことが吉となるのだが「万が一面白かったら発掘の喜びがあるよな」と考えてしまい思わず選んでしまう。多分、この手のタイトルは似たようなことを考える人間が商売になる程度には存在しているから続くのだろう。どうかしている。

 結論から言えば「今回も無事に騙された」になるのだが、面白いか否かで判断するとだいぶ面白い。面白いと言っても脚本が優れているとか、演技が迫真に迫り没入感があるとか、そういう方向性ではない。アクションがちゃんとしているのだ。この手の作品にありがちなやる気のないバトルではなくちゃんとアクションをしている。そこの部分は視聴しても後悔はない。作品に意味合いや物語性を求める人には向かないと思われるが。

 あらすじはというと、天正伊賀の乱で信長が侵攻している最中に未確認飛行物体が伊賀の里に着陸。伊賀の下忍3人が鋭い牙と爪を持つエイリアンと死闘を繰り広げるというもの。

 エイリアンにプロレス技をかけたりエイリアンが無駄に人間のエロに執着したりするなど、ふざけている場面は好き嫌いが分かれるかもしれない。B級映画と理解した上で視聴するなら悪ノリもスパイスになるけども。

 なお、ストーリーというストーリーは特にないし、延々とエイリアンと忍者の戦いが続く。天正伊賀の乱を舞台にした意味があったのかという疑問が湧く。その辺りを考えては視聴がつらくなるけども。

 本作は公開年にハリウッドでリメイクが決定したという記事をネットで読んだが2024年現在、いくら検索しても公開されたという情報は出てこない。この映画をリメイクしても......。

(文/畑中雄也)

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