全米大ヒットのロマンス映画から病を考える『きっと、星のせいじゃない。』
- 『きっと、星のせいじゃない。(字幕版)』
- アンセル・エルゴート,ウィレム・デフォー,サム・トラメル,シャイリーン・ウッドリー,ナット・ウルフ,ローラ・ダーン,ジョシュ・ブーン,Marty Bowen,Wyck Godfrey,Michele Imperato,Isaac Klausner,Bert Nijdam,Ryan White,Scott Neustadter,Michael H. Weber,John Green
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『ファミリー・ツリー』などのシャイリーン・ウッドリーと『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートが、不治の病にかかったカップルを演じた映画『きっと、星のせいじゃない。』。全米ベストセラー「さよならを待つふたりのために」が原作で、本作は全米で大ヒットを記録しました。そんな本作、ティーン向けロマンス映画として分類されていますが、ガンや病について深く考えさせられるストーリー。
主人公は末期のがん患者のヘイゼル。母親からの勧めで、教会で行われる集会に足を運んだ彼女は、そこで、青年のガスと出会います。ガスはかつてバスケットボールで優秀な成績を持っていましたが、片脚を切断し、がんを克服。明るい性格のガスは、ヘイゼルに恋をして何度もデートに誘います。ヘイゼルもまた徐々に自分の殻を破り、ガスに惹かれていきます。しかしヘイゼルは、やがていつか自分が亡くなり、ガスを傷つけたくないという思いから「友達のままでいよう」とガスに告げます。
ヘイゼルは、がん末期ではありますが、全くネガティブ思考ではありません。ジョークを交えてがんや病について話すこともあり、弱気を見せない性格なのです。そんなヘイゼルとガス、そしてガスの親友アイザックとのやり取りは、普通のティーンエイジャーと同じ。普通の会話を通して彼らの強さみたいなものが伝わってきます。その強さから、病との向き合い方について新しい考えも与えてくれるのが本作。不治の病を題材にした作品はもちろん泣けるものが多いですが、本作は悲しさよりも、恋をした時の心の温かさや、人生に対する希望を感じさせてくれる一本でした。
ちなみにヘイゼル役のシャイリーン・ウッドリーは『ダイバージェント』シリーズではロングヘアでしたが、本作のために髪をバッサリと切りこの役に挑みました。彼女はその髪を子どもたちのウィッグを作る地元の小児病院に寄付したそう。そんなほっこりエピソードを知った上で観賞すると、余計に泣ける作品に仕上がっています。
(文/トキエス)